賃貸物件サイトの「SUMO」が実施した「住みたい街ランキング2024 首都圏版」の集計結果を、同サイトを運営するリクルートが発表した。
それによると、1位は横浜駅で2位が大宮駅、3位に吉祥寺駅がランクイン。大宮は昨年から1つ順位を上げ、吉祥寺は1つランクダウン。1位と2位から東京が外れる結果となった。
目立ったのはやはり、大宮駅の躍進だ。2018年の9位から少しずつ順位を上げ、今回初めて2位の座をつかんだ。これは20代と30代から支持された結果で、買い物環境の充実や人気の散歩デートコースの存在、サウナやスパ施設の充実、若者が繋がれる駅周辺のバーコミュニティーの存在がその理由だ。都内に比べて家賃が安いことも、人気上昇を後押しした。
そんな大宮を苦々しく思っているのが、10位にランクインした浦和の人たちだ。浦和駅も前回の12位から10位へとランクアップしたのだが、大宮駅と比べると、その差は歴然。ライバルの躍進に歯ぎしりが止まらないと、タウン誌ライターは言うのだ。
「今はさいたま市で一緒になっていますが、合併する前の浦和市と大宮市はライバル同士。お互いに『自分たちのほうが上』と思っていました。浦和市民は『県庁所在地で文化的にも浦和のほうが高い』、一方の大宮市は『ターミナル駅があり、商業的にも大宮が発展している』と考えていたんです。合併時には新たな市名を何にするかで大モメしました」
大宮と浦和の対立は映画「翔んで埼玉」でも描かれている。2つの市の代表がお互いに「相手とは組めない」とやり合うシーンは、さいたま市民の心に刺さった。
「浦和市民は合併時のことを今も忘れていません。新たな市名を『さいたま市』のほか5案に絞った際、大宮市が『大宮市』を持ち出してきた。『浦和市』と『大宮市』は最初から除外することになっていたにもかかわらず、です。最終的にはさいたま市になったわけですが、怒りは今も収まっていません」(前出・タウン誌ライター)
大宮と浦和の戦いはまだまだ続きそうだ。
(海野久泰)