大きな街であれば、その地名がついた駅がいくつもあることは珍しくない。例えば新宿はJRと私鉄を含めると新宿駅、東新宿駅、新宿三丁目駅、南新宿駅、西新宿駅、西武新宿駅がある。
浦和もそんな街の1つだが、駅の多さはずば抜けている。JRと私鉄を含めると、「浦和」と名がつく駅は、浦和駅、東浦和駅、南浦和駅、西浦和駅、北浦和駅、中浦和駅、武蔵浦和駅、浦和美園駅と8つもある。そこで浦和で昔から言われているのが「あと發浦和さえあれば、東南西北白發中がすべてそろう」。鉄道ライターは、
「東南西北はすべてあります。『中』も読み方は違いますが中浦和駅がある。『白』は『白くて何もない』と考えると、『浦和駅』でまかなえる。すると残るは『發』だけなんです」
そのため、01年に埼玉高速鉄道の「浦和美園駅」が誕生した時は「發浦和に変更してほしい」という冗談のような声も一部から出たという。
しかし今後、發浦和が誕生する可能性は低そうだ。鉄道ライターの解説。
「浦和市(現・さいたま市浦和区)に新たな駅が誕生する可能性はあります。埼玉高速鉄道の浦和美園駅から東武アーバンパークラインの岩槻駅周辺まで延伸する計画が持ち上がっていて、埼玉スタジアム2002の近くに1つ、そして岩槻駅との中間にもう1つ駅が誕生することになっています。しかし、埼玉スタジアム2002の近くにできる駅はおそらく『埼玉スタジアム2002駅』になるでしょう。中間駅がどこにできるか決まっていませんが、さいたま市岩槻区になるはず。新駅に浦和がつくことはなさそうです」
あと一歩まで迫ったのに残念。もし東南西北白發中がそろっていたら、浦和が麻雀の聖地になっていたかもしれない。
(海野久泰)