後輩選手らへのパワハラで楽天をクビになっていた安楽智大が、今年からメキシカンリーグのレッドデビルズに所属するとの発表があったのは、3月5日だった。これに楽天の球団関係者は内心、小躍りしたという。事情を知る球界関係者が明かすには、
「地元・宮城県のファンを筆頭に、スポンサー企業、マスコミからだいぶ厳しい対応をされましたから。パワハラ撲滅委員会のような組織改編も行いましたが、陣頭指揮を執った球団社長は昨夏に就任したばかりで、実態をつかめていない。下手をすれば二次被害を生みかねなかったわけですが、厄介者が自ら海を渡ったので障害がなくなり、平穏が戻ってくると確信しています」
ところで安楽は、いかにしてメキシカンリーグでの契約に至ったのか。スポーツジャーナリストが内情を語る。
「メジャーリーグを筆頭に韓国、台湾など海外での現役続行をずっと模索していました。ところが海外でもパワハラに対する厳しさは年々強くなってきているため、交渉しても話が全く噛み合わなかったといいます。ようやく辿り着いたのがメキシカンリーグであり、本来はメジャーリーグを目指す、あるいは招待選手に漏れた人材が一時的に所属するレベルの野球。まともに稼ぎに行こうと思っても、大したお金は受け取れない。日本のプロ野球よりもずっと厳しい環境です」
今年は言い訳無用で勝たなければならない。