7月26日から8月11日までフランスで開催されるパリ五輪をめぐって、テレビ局が慌ただしくなってきた。フジテレビは中継キャスターに佐久間みなみアナ、スペシャルキャスターに卓球・石川佳純の就任が決定した。
NHKは副島萌生アナがキャスターを担当し、TBSは石井大裕アナと近藤夏子アナがナビゲーター役となることが濃厚だ。
そしてテレビ朝日では、「報道ステーション」のスポーツ担当キャスターであるヒロド歩美の扱いで、ひと騒動があったという。
ヒロドは「熱闘甲子園」で毎年恒例のメイン進行を任されており、開催期間がまるカブリするパリ五輪とどちらを優先するのか、問題になっていた。フジテレビ関係者が明かす。
「ヒロドはパリ行きを熱望していましたが、報道パスの配布枚数が限られていることもあり、見送りとなりました。順当に国内で『熱闘甲子園』の進行や取材に専念することになります。そもそもパリ五輪は盛り上がりに欠け、国内の高校野球の方が需要が高い、という目論見もあったようです」
そもそもヨーロッパで開催のパリ五輪を中継するにあたり、日本との時差が激しいことがネックとなる上、
「なかなか制作費をかけられなくなり、ヒロドのようなキャスターだけでなく、現地に送り込むスタッフの人数も大幅減となっています。高視聴率が見込めそうであれば、無理をさせてでも弾丸でパリに行かせていたかもしれませんが…。近年は放映権料が高騰して、テレビ局は放送に乗り気ではありません。五輪は今後、サッカー日本代表の試合、ボクシング世界戦のように、地上波から消えていくコンテンツになってしまいそうです。PPV(ペイ・パー・ビュー)で見る形式になっていくでしょうね」(スポーツ中継スタッフ)
関心を持って見る人が少なくなれば、淘汰されていく。パリ五輪本番まであと2カ月。熱気が膨らんでくれるといいのだが…。
(田中晃)