7月初旬でこの暑さ。気象庁は今年5月の3カ月予報で、今年の夏は今春まで続いた「エルニーニョ現象」の影響で、世界的に大気全体の温度が高く、日本でも平年以上の高温が見込まれると発表していた。9月になってもこの状態は続くという。
七夕の日は静岡県静岡市で気温40.0度を記録。日本中が茹で上がった。子供が水遊びに興じるはずの昼下がりの公園には、誰もいない。朝9時のスーパー開店時間に合わせて買い物に来る高齢客は顔が真っ赤、熱中症で倒れそうである。
そこで思い起こされるのが、2018年9月だ。その時点で2年後に開催予定だった東京五輪で「日の出が早い夏は、時計を1時間早めるサマータイム」を導入するかどうかの議論がなされた。
時計は朝9時を指していても実際は8時なので、通学時の日差しと暑さはいくらかマシになる。朝、買い物に出かける習慣がある高齢者は、熱中症を起こしにくい。ランチタイムでは炎天下の移動を避けることができるため、体力の消耗を防げる。
19時(実際は18時)でもまだ空は明るく、ビアガーデンなど飲食店の活況が見込まれる。
当時の小池百合子都知事は、翌2019年に元号が平成から令和に変わることと、消費税率変更を控えていた事情から、
「システムの改修作業は膨大。IT業者を怒濤のように投入するのは、人材の配分としてどうなのか」
そう言って、東京五輪でのサマータイム導入には否定的な意見を述べていた。
一方で環境大臣を務めたことがある小池都知事は、サマータイム導入による節電効果に注目。
「サマータイムには否定的ではない。(東京五輪という)デッドラインが決まっていることを外せば、引き続き検討してもいいと思う。日本の働き方や、東京の成長戦略の1項目として考えていければ」
サマータイム導入に前向きな発言もしていたのだ。
地球全体の気温が史上最高に上がったと言われた昨年と同レベル、もしくはそれ以上に暑い今年の夏。冷房代はバカにならない。3期目の続投が決まった勢いで、小池都知事によるサマータイム議論の復活を望みたい。
(那須優子)