脱原発を共通項にした元総理のタッグがにわかに脚光を浴び、東京都知事選が風雲急を告げている。世論の支持が高いとされるもう一方の元大臣はどんな手を打ってくるのか──。いや、焦点はそこではなく、それぞれが抱える品性低劣なスキャンダル。自爆必至の「身から出るサビ」を地獄耳速報でお届けする。
6兆円規模の莫大な予算を扱い、ある意味、日本の顔でもある東京都知事。その候補者にはあらゆる面でのクリーンさが求められ、有権者は品性や倫理観を注視する。もとより前任者が「5000万円問題」で辞任を余儀なくされただけに、その意識はいやがうえにも高まろう。
一歩リードしていると言われるのが、いち早く出馬の意思を示した舛添要一元厚労相(65)。舛添氏が自民党の支援を得るまでの経緯をジャーナリスト・森省歩氏が解説する。
「自民党が下野した09年の自民党総裁選で、執行部は舛添氏を救世主として担ぎ上げようとしました。しかし、森喜朗氏(76)が直談判に行くと『泥舟に乗りたくない。このまま沈みたくない』と、きっぱり断った。当然、森氏は激怒しました」
舛添氏は執行部批判を繰り返したあげく、「自民党の歴史的使命は終わった」と言って翌10年4月に離党、新党改革の代表となった。自民党は舛添氏を除名処分としたが、当時の遺恨が今も残る両者はなぜ再接近したのか。森氏が続ける。
「自民党内で極秘に世論調査を行いました。丸川珠代氏(43)、小池百合子氏(61)、下村博文氏(59)、東国原英夫氏(56)、安藤優子氏(55)ら候補者となりそうな人物をリストアップしたところ、舛添氏がトップとなったのです。党内には『あんな裏切り者が!』との声もありますが、背に腹は代えられず、打診に至りました」
除名した側とされた側が手を組むという奇妙な事態だが、舛添氏を知る際のキーワードとしてまずあげられるのが「ケチ」であること、と森氏は力説するのだ。
「舛添氏のもとには全国から講演の依頼が多数ありました。その際、依頼主からは交通費として新幹線のグリーン車の切符があらかじめ送られてきます。それを舛添氏は秘書に『金券ショップに持っていけ』と命じた。秘書はグリーン車乗車券を売って現金にし、その場で普通の指定席券に換える。舛添氏は『そしたら講演のたびに儲かるだろ』と言ったそうです。ある時、急な依頼が来て、秘書がうっかり変更し忘れたことがありました。講演前日に秘書が『急な話だったので換えていません。このまま行ってください』と言ったら『バカヤロー、いつも取り替えろと言ってるだろ。今すぐ行ってこい!』とどなられた。ほとほと嫌気がさした秘書は直後に退職しています」
もし舛添氏が都知事選に当選した場合、公務で乗るグリーン車乗車券を同じように払い戻ししてポケットに入れた場合、公金横領になってしまう。
「まさかそんなことはしないだろうとは思いますが、もともとそんな発想のある人物だから信用できないのです」(前出・森氏)
前任者は「袖の下」疑惑で失脚したが、舛添氏は「ヘソの下」にも弱点があった。
◆アサヒ芸能1/21発売(1/30号)より