テレビ番組でよく見るバンジージャンプだが、意外にも挑戦企画がNGの芸人は多い。COWCOWの多田健二、とろサーモン・久保田かずのぶ、さらば青春の光・森田哲矢などなど。
実際にやってみれば、相当な怖さなのだろう。回数をこなしている上島竜兵や出川哲朗も、急に求められると、まず断ったという。上島は声を大にして、
「僕もね、前から『最後はオチで上島さんバンジーやってもらいますよ』とわかっていたなら飛びますよ。心の準備が必要なんですよ」
と語っていた。
心の準備をしてもダメな場合がある。番組で赴いたマカオタワーで、233メートルも落下するバンジージャンプを躊躇してしまったのは、南海キャンディーズの山里亮太だ。アンガールズの田中卓志が振り返る。
「山ちゃんがバンジージャンプを飛ぶことになって。だけど自分のメインの番組なのに『やっぱ飛べない…。気持ち作りたいから30分くれ』って山ちゃん、時間とったの。それで決断したのがノーだったから、みんな何も言えなかった」
結局、マカオタワーの高所(スカイウォーク)を歩くことで取り繕ったのだった。
千原ジュニアも似たような経験があるとして、次のように回想する。
「20代の頃やったわ。映画でバンジージャンプのシーンがあって、俺、ホンマに飛ばれへんから迷惑かけるって思って。(時間が)押すし。それで俺、あるベテランの俳優さんに『なんだよ、お前』ってキレられたもん」
そのやりとりを再現してみると…。
「いや、ちょっと高いところ苦手なんで」
「高いところ苦手なんだろ。落ちるんだよ。下に向かってくんだからよ。上に行けって言ってんじゃねぇんだよ。行けよ、お前」
「すみません…」
ちなみに兄の千原せいじも高所恐怖症で、中学生まで自宅の2階にも上がることができず、今で、駅のプラットホームに立つのが苦手だとか。
(坂下ブーラン)
1969年生まれのテレビディレクター。東京都出身。専門学校卒業後、長寿バラエティー番組のADを経て、高視聴率ドキュメントバラエティーの演出を担当。そのほか深夜番組、BS番組の企画制作などなど。現在、某アイドルグループのYouTube動画を制作、視聴回数の爆発を目指して奮闘中。