大相撲初場所を目前にして角界で耳目を集めるのが「親方の定年問題」である。2025年は7月に伊勢ケ濱親方(元横綱・旭富士)、9月に大嶽親方(元十両・大竜)、11月に陣幕親方(元前頭・富士乃真)、12月には白玉親方(元前頭・琴椿)が定年を迎える。角界OBが解説する。
「中でも7月の伊勢ケ濱親方と9月の大嶽親方には、部屋の継承問題が絡んできます。仮に定年延長を選択して相撲協会に残っても、形式上は部屋を誰かに継承しなければならないルールがある。伊勢ケ濱部屋は部屋付きの楯山親方(元前頭・誉富士)、あるいは横綱・照ノ富士のいずれかが継承することが濃厚。『大鵬道場』と呼ばれた大嶽部屋の建物には、親方同士の親交が深いことから中村部屋が入ると言われています。そのまま中村部屋の看板を掲げて、大嶽部屋の力士を合流させる算段なんだとか。大鵬の孫の幕内・王鵬が引退するまでは、その体制が続く見込みです」
一方で、定年まで数年の時間を有しながら、早くも継承の噂が絶えない部屋もある。
「錦戸部屋です。錦戸親方(元関脇・水戸泉)は今年9月で63歳と、定年はまだ先。しかし、体調面に不安を抱えているといいます。現役時代の弟弟子だった若松親方(元前頭・朝乃若)が継承者の本命とされていましたが、ここ1~2年の間に急浮上したのが千田川親方(元前頭・徳勝龍=写真)です。木瀬部屋の部屋付き親方にもかかわらず、場所後には錦戸部屋の千秋楽パーティーに出席することがしばしば。昨年9月の錦戸親方の誕生パーティーにも出席していて、親密さがうかがえます」(相撲部屋関係者)
ちなみに千田川親方は、初場所後の2月1日に断髪式を開催予定。ここでサプライズ発表があるかもしれない。