果たして、今場所は前頭4枚目以下の力士が台風の目になりそうだが、
「最近は、番付上位の力士たちが星を食い合う傾向が強い。それだけに、上位と取組を編成されない番付中位〜下位の活躍ぶりが目立ちます。先場所で敢闘賞を受賞した熱海富士がいい例。再入幕の前頭15枚目ながら千秋楽まで優勝争いを見せてくれました。今場所もダークホースとして期待できる力士が複数人います」(スポーツ紙デスク)
その筆頭候補が前頭7枚目の金峰山(26)である。
「中央アジアに位置するカザフスタン出身の大型力士です。来日前は柔道をやっていましたが、その才能を元横綱・朝青龍に見込まれて相撲に転向。アマチュア相撲の名門・日本大学相撲部で突き押し相撲を磨いてきました。その一方で、四つに組まれても柔軟に対応する器用な相撲も取れる。今年の春場所で新入幕ながら敢闘賞を獲得したのも頷けます」(スポーツ紙デスク)
新進気鋭の外国人力士の四股名は熊本県にある「金峰山」に由来する。
「師匠の木瀬親方(54)=元前頭肥後ノ海=のこだわりです。かねてから、故郷の山の名前を弟子につけたかったみたい。ただ、金峰山本人はあまりお気に召していない様子。というのも、富士山ぐらいのスケールを想像していたようですが、実物は東京の高尾山ぐらいの標高のローカルな山。実際に熊本に足を運んで『こんな小さい山なんだ‥‥』とガッカリしたそうです」(角界関係者)
今場所で新入幕を飾る北の若(22)はスター候補の1人だ。
「中学時代に中学横綱、高校時代に高校横綱を含む全国5冠に輝いたホープ。師匠の八角親方(60)=元横綱北勝海=にも目をかけられていて、還暦の体にムチを打って指導する風景は部屋の名物です。先日も、すり足をする北の若のまわしを後ろから引っ張りながら『お前は腰が高いんだよ』とゲキを飛ばす場面もありました。幕下と十両で足踏みが長かっただけに、師匠にも忸怩たる思いがあったのでしょう。端正な顔立ちで女性ファンも多いので、すぐ人気者になりますよ」(相撲ライター)
対して、スピード出世で番付を駆け上がってきた前頭4枚目の豪ノ山(25)は、突き押し相撲を十八番にする注目株だ。
「21年に三段目付け出しでデビューするや、わずか14場所(歴代4位)で新入幕した実力者。馬力のある出足の強さは三役クラスにも匹敵すると言われています。ちなみにその内面は、関西弁のノリのいい兄ちゃん。外出先での金払いもよく、後輩たちからも慕われています」(スポーツ紙デスク)
今場所も前途洋々な若手力士から目が離せない。