静岡県の金谷駅と千頭駅を結ぶ「大井川本線」と、千頭駅から井川駅の間を走る「井川線」を運営する大井川鐵道が、創立100周年を記念した商品を発売すると発表した。
「100周年記念コイン」は表にC121蒸気機関車が描かれ、裏面は国の登録有形文化財である新金谷駅駅舎が刻まれている。シリアルナンバー入りで、限定200枚。価格は1万円だ。
記念腕時計は文字盤枠に大井川本線の金谷駅から千頭駅までの駅名をデザイン。文字盤には社紋と、未来へと続くレールが描かれている。
鉄道模型や宝飾品、時計の製造と販売を手掛ける「天賞堂」が製造を担当。クラシックなデザインの腕時計と、ダイバーズが3色あり、価格はクラシックが3万2000円、ダイバーズは3万5000円だ。
大井川鐵道としては初めて「名刺乗車券」も発売する。1セット100枚で、表には名前やメッセージを印刷。裏面は大井川本線の乗車券になっており、金谷駅から川根温泉笹間渡駅の任意区間を1枚につき1回、乗車できる。こちらは1万2000円だ。
そして最も耳目を集めている商品が「純金製100万円きっぷ」である。重量感あふれる純金製のきっぷで、実際に大井川本線の電車とSL列車の自由席を利用できる。2026年3月31日まで乗り放題で、販売価格は大井川鐵道史上最高額となる100万円。非常に高額なきっぷだが、元を取ることはできるのか。これに答えるのはベテランの鉄道ライターだ。
「金谷駅から川根温泉笹間渡駅までの片道運賃は920円です。新金谷駅から家山駅までSL急行に乗ると、それに1000円プラスされるので、片道1920円になり、往復だと3840円。毎日乗れば1年で140万1600円になるので、利用期限の来年3月31日まで毎日乗れば、十分に元は取れますね。SL急行は毎日2往復しているので、この2往復をきっちり利用すれば、半年も経たずに元が取れます」
毎日乗れば飽きてしまいそうだが、
「大井川本線は大井川に沿って走り、車窓からは見事な渓谷美を楽しめます。季節によって四季折々の表情を見せるので、毎日乗っても絶対に飽きない、とまでは言えませんが、飽きにくい。時間とお金があれば、ぜひともやってみたいものです」(前出・鉄道ライター)
100万円きっぷはすでに受付がスタートしている。興味のある人はぜひ購入して、大井川鐵道をたっぷりと楽しんでみてはどうだろう。
(海野久泰)