今季は巨人の真のエースとして一本立ちが期待されていた戸郷翔征が、まさかの2軍落ち。開幕から3戦連続で無残なKOを食らい、トドメの広島戦(4月11日)では、4回途中10安打10失点の大惨事となった。
「抹消して(2軍で)10日間、しっかり自分と向き合ってきます」
神妙な表情でコメントした戸郷は、まさかの大炎上に、
「こんなに悩んだことはない」
とも話していた。
それでも「安心理論」を説く人物がいる。桑田真澄2軍監督だ。2021年に15年ぶりに巨人に復帰した桑田2軍監督は、1軍投手チーフコーチ補佐として、当時の原巨人に入閣。そこでは「戸郷だけは厳しく育成したい」と、徹底して投球術を叩き込んだ。
当時の若い投手陣にまず訴えたのは「9回完投135球」理論だった。先発投手ならば135球で完投しろ、と。シンプルに言えば「頭を使って投げなさい」ということだ。これに最も感化されたのが戸郷で、先発陣の柱に成長した。
桑田2軍監督は今季の戸郷について、
「巨人のエースというポジションになったら、こういうこともよくある」
スポーツ紙デスクが言う。
「リフレッシュさせることで戸郷は必ず復活すると、桑田2軍監督は自信満々です。さらに言えば、戸郷を復活させることで球団の評価は一気に上がる。1軍で指導したいという思いはあるはずですからね」
戸郷の復活は、桑田2軍監督の今後の立ち位置に大きく関わってくるかもしれない。
(小田龍司)