今、プロ野球界で「再生」というと田中将大のことばかりが取り沙汰されるが、阿部巨人で本当に復活する必要があるのは坂本勇人だろう。
昨季は109試合に出場し、打率2割3分8厘、7本塁打、34打点。レギュラーに定着した2008年以降では打率、打点ともにワーストとなった。
坂本も田中と同じ36歳だ。年齢との戦いは致し方ないのだが、ここで復活できなければレギュラー落ちとなる。
「田中は久保康生巡回コーチによる投球フォームの改造を受けることになっています。坂本もキャンプでは試行錯誤が続くでしょう」(スポーツ紙デスク)
坂本の場合は打撃フォームではない。「コンタクトレンズの調整」だ。関係者によれば、オフの間、坂本は眼科医などの専門家に診てもらったところ、「試合中に(コンタクトレンズを)つけたほうがいいですよ」と助言を受けたそうだ。「乱視」が年齢とともに進行したためだ。しかし昨季は、裸眼で試合に出ていたという。
「キャンプ、オープン戦で度数など細かい調整をし、適したコンタクトレンズを見つける予定です」(球界関係者)
アスリートの「年齢との戦い」というと、体力面での話になりがちだが、「視力」も忘れてはならないのだ。日本ハムの新庄剛志監督は現役を引退する際に、視力の衰えを口にしていた。前出の球界関係者によれば、ナイトゲームの照明の加減で「捕手が出すサインが見づらい」とボヤく30代投手は少なくないそうだ。
「視力低下、裸眼でプレーしていたのが不振の一因だとすれば、コンタクトレンズの使用でいい方向に向かっていくのではないか」(前出・球界関係者)
田中は一昨年にメスを入れた右肘の回復が遅れた。坂本の再生アイテムはコンタクトレンズ。今さらではあるが、この2人が中学まで同じ野球チームでプレーしていたのは有名な話。フィジカル、視力と不振の原因は異なるが、再会時に交わす会話は「健康問題」ではないだろうか。
(飯山満/スポーツライター)