今シーズンのブンデスリーガ(ドイツ)で好調なのは、UEFAヨーロッパカンファレンスリーグ出場圏内をキープする、6位のマインツ。大黒柱になっているのは、元日本代表のMF佐野海舟だ。
佐野は昨年7月、J1鹿島アントラーズからマインツへの完全移籍が発表されると渡欧直前、都内のホテルで女性に性的暴行を加えた疑いで、知人の男2人とともに、110番通報で駆けつけた警察官に路上で身柄を確保された。バリバリの日本代表が逮捕されたニュースに、激震が走った。
これで佐野のサッカー生命は終わったと思われたが、釈放後にマインツの合宿に参加。8月8日には不起訴処分が発表され、新天地でプレーすることが可能になった。
すると開幕から守備的MFで先発の座を奪い、これまで全てのリーグ戦に先発出場。持ち前の豊富な運動量で90分間、縦横無尽に走り回り、デュエル(ボールの奪い合い)でもブンデスリーガでトップクラスの成績を残している。
ドイツ国内では、移籍金250万ユーロ(約4億3000万円)は超お買い得と絶賛の嵐。市場価値は数倍に膨れ上がった。
3月のW杯アジア最終予選に向けて、日本代表への復帰があるかどうかだが、そう簡単にゴーサインが出ないのはやはり、「女性トラブル」の影響があるからだ。サッカーライターが言う。
「性加害疑惑で刑事告訴され、不起訴処分になった日本代表FW伊東純也は、逮捕はされていません。一方、佐野は不起訴処分にはなっていますが、逮捕されており、世間のイメージが悪い。そんな中、中居正広の性加害スキャンダルが大騒ぎになり、フジテレビのスポンサー離れが深刻的な状況に。このタイミングで佐野が日本代表に電撃復帰すれば、否が応でも蒸し返される。日本代表のスポンサー企業が離れる懸念は拭えず、3月の代表ウィークで戻るのは、時期尚早だとみられています」
中居が起こした女性トラブルは、サッカー界にもダメージを与えていたのである。
(風吹啓太)