この週末のGⅠ・皐月賞(中山・芝2000メートル)を皮切りに、3歳牡馬勢を中心とするクラシック戦線がいよいよ開幕する。
今回、圧倒的な1番人気が予想されるのは、5枠10番のクロワデュノールだ。新馬戦を含めて2連勝で臨んだ前走のGI・ホープフルS(中山・芝2000メートル)の「勝ちっぷり」は、まさに圧巻。「ホープフルSから皐月賞」という直行ローテは今や定石で、皐月賞における死角は限りなく皆無に近いと言っていい。
しかし、他馬に「つけ入るスキ」がないわけではない。筆者が「逆転の筆頭馬」に指名したいのは、8枠16番サトノシャイニングだ。
同馬はGⅡ・東スポ杯2歳S(東京・芝1800メートル)で、クロワデュノールの2着に惜敗。ただし、その「負けっぷり」には目を見張るものがあった。敗因はズバリ、終始先頭でレースを進めたこと。クロワデュノールの、格好の餌食となったのだ。
その反省を踏まえ、前走のGⅡ・きさらぎ賞(京都・芝1800メートル)では、馬に「抑える競馬」を覚えさせるべく、スタート直後から6番手の位置をガッチリとキープ。最後の直線では見事な差し脚を繰り出して、完勝劇を演じたのである。
中団でジックリと脚をため、最後に差し脚を爆発させる。まさに皐月賞でクロワデュノールを負かすべく、陣営が虎視眈々と温めてきた秘策だったのだ。
下馬評では「きさらぎ賞での勝利は稍重馬場に恵まれてのもの」との見方があるが、「血統を考えると、サトノシャイニングは良馬場でこその馬」と筆者はみている。
そこで結論。勝負馬券はサトノシャイニングの単複。ただし、より大きく儲けたい向きには、サトノシャイニングからの馬単、3連単も悪くはないだろう。
(日高次郎/競馬アナリスト)