そもそも尹政権の基盤が揺らいだのは「美しすぎるファーストレディ」こと金建希夫人(52)に関する数々の疑惑に起因すると言われる。
「事の重大さからどうしても戒厳令の是非と弾劾の行方ばかりに注目が集まりますが、そもそもあそこまで尹氏が暴走するに至ったのも、経歴詐称、ディオールのバッグ収賄、ドイツモーターズ株価操作疑惑など、2桁に上る夫人への疑惑があったためです。特別検察官が捜査に乗り出そうとしたものの、大統領が拒否権を発動して阻止したのは、これら疑惑をお蔵入りさせようという動機があったからです。となると、尹氏が弾劾されれば次は真っ先に野党からの追及の矢面に立たされて、いずれは逮捕。夫婦そろって監獄行きです」(辺氏)
傾国の美女、過激派ユーチューバーの扇動で国民は分断状態、大混乱の韓国が断末魔をあげるのは時間の問題だ。
「そもそも尹氏と与党の支持率上昇は、すべてが保守系ユーチューバーの影響というわけではありません。世論全体としては、これ幸いとばかりにどんな手を使っても尹氏を大統領から引きずりおろそうという野党のやりすぎにうんざりしているという側面が大きい。つまり、韓国政界はそんな政争に明け暮れている状態にあるわけですが、となると次の大統領選挙がどんな形で終わったとしても、負けた方が黙っているはずがない。アメリカでトランプ氏が選挙戦中に銃撃されたように、大統領暗殺なんてことすら起こりかねません。また野党の李在明氏は、前回の大統領選挙での虚偽発言が罪に問われて、昨年11月に有罪判決が下っています。控訴審でこれが覆らなければ、5月の最高裁で90%以上の確率で有罪になる見込みです。韓国国内は最低でも今年いっぱいこうした混乱が続くことになる」(辺氏)
この先も火に油を注ぐ事態が待ち受け、次期大統領選で鎮火する見込みはまったくないというのだ。
折しも1月20日に就任した米トランプ大統領に世界が戦々恐々とする中、北朝鮮はウクライナでの戦争に派兵、戦略的パートナーシップを結ぶプーチン・ロシアと蜜月状態。その一方、トランプ政権下で、米朝首脳会談が復活すれば韓国はハシゴを外される可能性が高い。
そのトランプ政権の政府効率化省トップに登用された実業家のイーロン・マスク氏からは「韓国は人口崩壊」と揶揄される始末だ。
五味氏は事態の深刻さを訴える。
「韓国は急激な人口減少が進み、日本より深刻な状態です。若者の仕事は失われ、また今の政争が続くことで企業の弱体化も進むでしょう。韓国は97年と08年に通貨危機があって、97年当時は私も韓国にいましたが、ウォンの価値が著しく低下して、『有事の金』ということで、国民に貴金属の拠出を求めたことで何とか外貨不足を補うということがありました。この時は『本当にこの国はなくなってしまうのではないか』という危機感があったのですが、現状を見ているとその二の舞とも思える状況に近づいている。いまだに与野党は大統領選挙で一歩も引けないというチキンレースの様相を呈しているが、このままでは取り返しのつかない事態になってしまうかも‥‥」
極端な主張を連呼する過激ユーチューバーが跋扈すれば、韓国国内の世論は二分、いや四分するだけ。隣国の異常事態から目が離せない。