社会

「住みたい街」に異変!宇都宮ライトレール「駅西側延伸」計画を前倒しした深刻な事情

 賃貸物件サイトが発表した「住みたい街ランキング2024」の北関東版で4位になった栃木県宇都宮市の人気は、さらに上がりそうだ。「宇都宮ライトレール(愛称はライトライン)」の駅西側延伸が発表されたからである。

 宇都宮ライトレールは宇都宮駅の東口から芳賀郡芳賀町まで、駅の東側を走るライトレール路線。2023年8月26日に開業し、今年1月末には累計乗客数が700万人を突破。計画時には「必要ない」「絶対に失敗する」と否定的が声もあったが、見事に成功を収め、宇都宮市の魅力度アップにひと役買っている。この成功を受けてJR宇都宮駅西側に延伸する計画が持ち上がり、2月3日には宇都宮市が計画を発表したのである。

 西口の駅前広場を再編して駅東から西側へとライトレールを通し、停留所を設置。そのまま駅前の大通りを通って、およそ5キロ先の栃木県教育会館の前まで行く予定だ。宇都宮駅東口から裁判所前までの「Ⅰ区間」、裁判所前から桜通り十文字付近までを「Ⅱ区間」、桜通り十文字付近から教育会館前付近までを「Ⅲ区間」として、それぞれ整備方針を変えるという。

 Ⅰ区間は車線を片側3車線から1車線に減らし、ライトレールと自転車走行空間を設置する。Ⅱ区間は片側3車線から2車線にし、Ⅲ区間は現状の片側2車線を維持する。

 2025年度内に都市計画手続きを開始する予定だったが、2025年内に前倒しし、2030年開業を目指す。手続きを前倒ししてまで2030年の開業を実現しようとする背景には、深刻な事情があると、交通ジャーナリストが指摘する。

「2024年問題によって日本中でバス運転手が不足し、バス路線の減便や廃止が続いていますが、宇都宮も例外ではありません。昨年4月には宇都宮市内を中心とした路線バスを5%減便しました。運転手不足は今後も続く見込みで、宇都宮ライトレールを駅西口に延伸することで、余剰となったバスのリソースを他の路線に振り当てようというのです」

 2030年には宇都宮市が「住みたい街ランキング」のトップに立っているかもしれない。

(海野久泰)

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