宇宙には確認されているだけでも120万以上の小惑星があり、中には危険性の高いものがある。欧州宇宙機関(ESA)と米航空宇宙局(NASA)が、地球に衝突する可能性がある小惑星「2024 YR4」について、衝突確率は「1%以上」と発表した。
「2024 YR4」は2024年末に、南米チリの望遠鏡によって発見された。軌道計算では、2032年12月22日に地球にぶつかる可能性があるという。これまで衝突確率が1%を超える小惑星は確認されておらず、最悪の事態が頭をよぎってしまうのだ。
衝突確率は様々な要因で変化するというが、「1%」という数字を、ほぼないものとして考えるか、それともリアルに感じるかは、人によって異なるだろう。そしてとりわけ、1%の重さを身に染みてわかっているのが、広島カープのファンだというのである。
なにしろカープは昨年9月、球団ワースト&セ・リーグワーストタイの月間20敗を喫し、優勝戦線から一気に4位転落の屈辱を味わっている。優勝どころか、クライマックスシリーズ進出99%の確率を見事にすり抜け、わずか1%のBクラス入りを引き当ててしまったのだから、小惑星の地球衝突確率には現実味しか感じないというわけだ。しかも当初は1%だった衝突確率がその後、2.2%にまで上昇しているとあっては、背筋が凍る思いだろう。
1998年に上映された映画「アルマゲドン」は、石油採掘のスペシャリストが、地球への衝突コースをとる小惑星を破壊するために、宇宙へと飛び立つ物語。フィクションとはいえ、「もし作戦に失敗したら…」と、ハラハラ息を飲みながら鑑賞したことを思い出す。物語は主人公の活躍で小惑星の軌道が変わり、地球滅亡の危機は寸前で回避されたが、はたして現実はどうなるか。
ちなみに地球近傍小惑星「ベンヌ」も、2181年9月に「0.037%」の確率で地球に衝突する可能性が指摘されている。「1%」の重みを痛いほど知っている広島ファンにとって、この数字は笑いごとではないのだ。
(ケン高田)