破天荒、あるいは並外れた感覚を持つプロ野球選手は数多いるが、この人に限っては「超安定した評判」しか出てこない。それが広島カープの黄金時代を支えた左腕で、優秀防御率2回、最優秀救援投手1回の大野豊氏である。
同じプロの目から見てどうかといえば、例えば選手として2年、コーチとして3年、広島に籍を置いた笘篠賢治氏が「尊敬する人」を聞かれて「指名」したのは大野氏だった。
YouTubeチャンネル〈ダグアウト!!!〉で証言したところによれば、
「凄い人なのに偉ぶらないし、勉強すごくされてるし」
これに大きく頷くのは、広島の元捕手・西山秀二氏だ。
「誰に聞いても、大野さんのことを悪く言う人はひとりもいない。いい話しか出てこないです」
西山氏がコーチに怒られると「なんで西山に言うねん。気に入らなかったら、投げたの俺だから、俺に言ってくれ」とかばってくれたことがあるという。
このやりとりを聞いていた広島カープファンの芸人、チュートリアル・徳井義実は、大野氏との会食に参加した時のエピソードを明かした。
「飲んでたらゲスい話とか、お金のこととか、女性のこととかなったりするやんか。あの人、ひと言もそういうのを言わなかったの」
もちろん、他の選手にまつわる愚痴をこぼすこともなく、
「他の選手の話をしても『あいつはええやつや』とか『マジメなやつや』とか、そんなんだけで、ホンマに聖人よ。この人、なんて人なんやろうと思って…」
大きなスキャンダルを起こしたことがある徳井だけに、「聖人」に接した驚きは、尋常ではなかったようである。
(所ひで/ユーチューブライター)