たび重なる女性トラブルに加え、これといった成績を残しておらず、正真正銘の崖っぷち状態にある広島カープの中村奨成に「捕手復帰説」が浮上している。成功すればチーム内で存在感を示すことができるため、試してみる価値は大いにあるかもしれない。
今季の広島は、侍ジャパンに選出された坂倉将吾を扇の要とする布陣を計画していた。ところが3月2日、倉敷マスカットスタジアムでの楽天戦後に、痛めていた右手中指の骨折が判明。まさかの開幕絶望となった。
広島には坂倉を含めて7人の捕手がいるが、うち3人はまだ実績のない若手。ベンチ入りはベテランの會澤翼、磯村嘉孝、石原貴規の3人とみられている。しかし、期待の石原は1月に左手関節の手術を受け、現在は3軍調整中の身。開幕に間に合うかは微妙な状況である。
そこで浮上したのが、2023年まで捕手としてプレーしていた中村を再登録するプランだというのだ。現在、中村は外野レギュラーの座を目指して奮闘中だが、残念ながら秋山翔吾や野間峻祥、末包昇大、田村俊介らに比べて見劣りするのは事実。しかし捕手であれば、出場のチャンスはあるだろう。
中村の捕手復帰は、現役時代にリリーフとして優勝に貢献した中田廉も可能性を示唆している。3月3日の「それ聴け!Veryカープ!」(RCCラジオ)ではリスナーから「元捕手の中村奨成にチャンスがあるのか」という質問が寄せられると、
「今まで捕手をしていた経験もありますし、彼は高木(翔斗)選手や清水(叶人)選手よりも1軍の投手の球を受けているので。ここは捕手としての大きいアドバンテージがあります」
そう言って、経験値の高さを指摘したのである。さらに評するには、
「ボールの軌道というのも分かっていますし、投手のクセも分かっています。ワンチャン、奨成が…スタメンマスクをかぶることはないと思いますけど、捕手もやってみようか、という可能性はあると思いますよ」
昨年の2軍OPSを見ると、中村は.798。磯村の.759を上回る活躍を見せている。坂倉が復帰したらすぐに外野に戻されるだろうが、新井貴浩監督から「行け」と言われたら、ふたつ返事で受けるしかないのが、今の中村の立場。コトによっては、チームの救世主となるかもしれない、という可能性も…。
(ケン高田)