本当に期待してもいいのだろうか。プロ野球はオープン戦の全日程が終了し、昨シーズンぶっちぎりのパ・リーグ最下位だった西武ライオンズが8勝4敗2分で2位、チーム防御率1位(1.96)、打率リーグトップ(2割6分9厘)の好調ぶりだった。この勢いのまま3月28日の開幕戦を迎えれば、昨季の雪辱を果たせることだろう。
オープン戦14試合で失点29は、12球団最少だ。今井達也が計7回を投げて無失点。昨シーズン勝ち星なしのドン底にあった高橋光成も13回を投げて、失点はわずか1。
「リリーフのウィンゲンターを警戒する声が、パ・リーグ各チームから聞こえています。今年は投手力がストロングポイントになりそう」(他球団関係者)
とはいっても気になるのはやはり、打撃陣だ。打線はオープン戦14試合で計53得点(12球団中5位)を稼いだ。しかしその内訳を見ると両外国人選手が絡んだものが多く、とりわけ3番が予定されているネビンのバットから生まれた得点が多かった。チームトップの9打点を記録しているが、この時期の外国人選手、新加入選手の数字ほどアテにならないものはない。
「どの球団もそうですが、データを集めるため『打ってください』という球を投げています。各コーナーや変化球の対応などを見極めるわけですね」(前出・他球団関係者)
父が元エンゼルス監督のフィル・ネビン氏であることは有名な話。コンパクトスイングで広角に打ち分ける打撃スタイルが売りだが、メジャーリーグで生き残れなかった原因は「速い球を打てなかったため」とされている。とはいえ、3月23日のDeNA戦ではバウアーから2安打を放っており、「苦手を克服した」との声はある。オープン戦では見られなかった「緩い変化球を織り交ぜた後の速球にどう対応するのか」がカギとなりそうだ。
偉大な父を持つ2世選手にかかる期待は大きい。西武の浮沈はネビン次第…ということか。
(飯山満/スポーツライター)