セ・パ交流戦が終わったら、横浜DeNAベイスターズが首位戦線に復帰している――。今、そんな予測があるという。
セ・リーグ各球団から聞こえてくるのは「負け越さないように。せめて勝率5割で」という消極的な声ばかり。パ・リーグ球団を苦手とする傾向はまだ続いていたが、DeNAだけは違った。
「主な理由は2つ。DHと日程ですよ」(球界関係者)
ほとんどのセ球団がこぼしているように、パ・リーグ主催試合はDH制になる。セ球団は代打要員や若手を起用してきたが、
「通常のペナントレースでやってきた打順を代えることになるので、DHに入れた選手を何番で打たせるかが難しい」
と話しているのだ。
DH制により、打順が変わるレギュラー選手が出るため、「戦いにくい」というのがセ・リーグ側の感想だ。しかし、
「DeNAには筒香嘉智がいます。外野でスタメン出場してきましたが、今春のメジャーキャンプを棒に振った原因に、腰痛がありました。筒香をDHに入れてやれば、負担を軽減できます」(前出・球界関係者)
また、通常とは異なるパ・リーグの本拠地に移動するため、「疲れが出る」と愚痴るセ・リーグ選手は少なくない。
巡り合わせと言えばそれまでだが、今年のDeNAの交流戦日程を見ると、「遠征」と呼べるのはエスコンフィールドの日本ハム戦ぐらい。その後の第3節オリックス戦、第4節のソフトバンク戦は横浜スタジアムが舞台となり、あとは千葉ロッテのZOZOマリンと埼玉西武のベルーナドームなので、「12戦連続」で自宅から通える。
千葉ロッテ、埼玉西武戦ではDH・筒香が「疲労感ゼロ」で打席に立つわけだ。DeNA有利と警戒する声は、あながち間違いではないかもしれない。
「気の毒なのはヤクルトです。第2節の東北遠征で雨に見舞われたら、その予備日は月曜日に組まれており、火曜日から神宮球場です。そこでの埼玉西武、日本ハムとの6連戦で雨天中止が出たら、どうなるのか。その後、福岡、大阪の遠征が続きます」(スポーツ紙記者)
交流戦の本当の敵は天候だ。DeNAも横浜スタジアム、ZOZOマリンで9試合を続けてこなす日程になっている。投手陣が奮闘し、DH筒香を打席に集中させたら、セ・リーグの順位表は大きく変わってきそうだ。
(飯山満)