東京六大学野球は4月12日に開幕を迎えたが、今季で「9人制野球」が見納めとなる。
今季で創設100周年。直前の理事会で、DH制(指名打者制)を来季から導入することが決まったのだ。ちなみに全日本大学選手権や東都大学リーグなど、学生野球では20年以上前からDHが採用されている。
六大学は今季から「ビデオ検証」も導入している。4月14日の早大×東大戦では、盗塁セーフの判定を不服とした東大側の要求によって、判定がアウトに覆る「新ルール第1号」が出ている。
プロ野球よりも歴史が古く、伝統を重んじる日本最古の野球リーグだけに、「野球が変わってしまう」「審判の判定は絶対」など主張するうるさ方が多かったが、ついに時代の流れには逆らうことができなかったということだろう。
では今後、メジャーで取り入れている「ピッチクロック」「球数制限」「牽制球の制限」なども、いずれは導入される日が来るのか。大学野球関係者が言う。
「学生野球にDHが定着すれば、間違いなく試合はエキサイティングになるでしょう。一方で分業化が進むことで、二刀流選手を育む土壌がなくなってしまう。大谷翔平に憧れる次世代の学生は『進路』が狭められることになる」
今年1月、二刀流を目指す桐朋高校の森井翔太郎は、メジャーリーグのアスレチックスとマイナー契約を結んだ。東京六大学101年目の歴史的決断が今後の日本野球をどう変えるか、興味津々なのである。