ミャンマーで3月28日に発生した大地震は、隣国タイにも深刻な影響を与えた。とりわけ首都バンコクでは、地震の余波で建設中の高層ビルが倒壊し、これまでに47人が死亡、40人以上が依然として行方不明となっている。また、バンコク市内のコンドミニアムには亀裂が入ったものが多く、住民はいまだに苦しんでいる。
そうした中、バンコクの住宅事情に大きな変化が現れている。低層から中層のコンドミニアムの家賃が急激に値上がりし、日本人の住民にとって深刻な問題となっているのだ。この家賃値上げの背景には、地震による建物のダメージや建設業界の資材不足、さらにはインフレの影響があると考えられている。
スクンビット地区など人気エリアに住む日本人住民に対しても、家賃値上げが告げられるケースが増えているといい、とある日本人男性は次のように語っている。
「今まで1万3000バーツだった部屋が、1万5000バーツに値上げすると言われました。仕方なくスクンビットエリアから少し離れた、1万円のコンドミニアムに引っ越しすることに決めました」
こうして日本人住民が、郊外のローカルアパートへと移動する事態が進行しているのだ。
バンコクの中心地は、手の届かないエリアと化した。今後、日本人住民がどのようにして新たな生活を送っていくのか、大きな問題となっているのだ。