インバウンド需要や旅行者の増加に伴い、東京ではホテル料金の高騰が止まらない。カプセルホテルでさえ、週末になると1泊1万円を超えることは珍しくなく、頻繁に出張するビジネスマンにとっては大きな負担となっている。
シティホテルやビジネスホテルが当たり前だった時代から、今ではあの手この手で宿泊費を削減しようと、様々な工夫を凝らすビジネスマンが増えてきている。
その一例として「交通費と宿泊費を両方節約できる方法」を実践しているビジネスマンの話を聞いた。彼は出張時に新幹線を利用せず、夜行バスを選択しているというのだ。
「夜行バスは非常にコストパフォーマンスが良く、平日なら東京から大阪まで3000円程度、週末でも5000円ほどで移動できるんです。東京でホテルに泊まる代わりに、出張の最終日は夜行バスに乗って帰れば、宿泊費を大幅に削減できます。東京のホテル代は近年、かなり高騰していて、カプセルホテルや古いビジネスホテルでも高額。壁が薄くて音が気になるようなホテルに泊まるくらいなら、夜行バスで寝る方が経済的ですね」
都内の本社に週に1回程度出張している別のビジネスマンは、長期的な視点からコスト削減の工夫をしている。なんと都内の格安アパートを借りて、ホテルの代わりとして活用しているという。
「都内にある築年数の古いアパートを月6万円ほどで借りています。1週間に1回出張する計算で、1泊あたり1万5000円程度になりますが、これはビジネスホテルとほぼ同額です。時期によってはビジネスホテルの料金が2万円を超えることもあるため、長期的にみると、こちらの方が経済的なんです」
古いアパートとはいえ、安定した拠点を持つことで、頻繁に利用するホテルの価格変動に左右されることなく、安心して出張を続けられるという。頻繁に出張を行うビジネスパーソンにとって、こうした対策は経費節約だけでなく、出張のたびにホテルを探す手間やストレスの緩和にもつながるだろう。
(カワノアユミ)