御年91の黒柳徹子。寄る年波にはかなわず、滑舌もよろしくなく、モノマネ芸人のみかんがモノマネをする際のフガフガ喋りもあながち誇張とは言えない、と感じることも。
「徹子の部屋」以外の出演番組を見ても、椅子の背もたれに体を完全に預け、座っているのも億劫に見える時が多い。徹子の体調ばかりが気になり、内容が入ってこないのだ。
ところが今週の「徹子の部屋」(テレビ朝日系)を見ると「これってAI徹子? それともサイボーグ化したのか?」と思うほどに元気だった。
椅子の背もたれから体を離してしっかり姿勢を保ち、ゲストの話への相槌は食い気味になるほど早く、声もはっきりと出ていて滑舌はしっかりしている。終始ニコニコと笑い、楽しそうな徹子の姿は、若返りの魔法でもかけてもらったかのようだった。
日頃から「元気の秘訣」を聞かれると「ジャイアント馬場さんに教えていただいたヒンズースクワットを毎日している」と答えているが、それ以上に何か理由があるに違いないと思ったら、なんのことはない、今週のゲストがイケメン続きだったのだ。
4月22日は「イケおじ」として人気の俳優・平山浩行が初登場。翌23日は、来年70歳になるとは思えないほど若々しくイケメンの「ミュージカル界の帝王」こと山口祐一郎が22年ぶりの出演。さらに翌日の24日は、またまた徹子の好きそうなイケメン俳優・内野聖陽が17年ぶりの登場だったのだが、この日の徹子の目の輝きは、もはや恋する乙女のもの。
それもそのはず、徹子は以前、内野が主役を演じた舞台「ベガーズオペラ」を観劇した後、内野に宛ててファンレターを送っていたとのことで、
「私、ファンレターなんてね、書いたことないですよ。初めてですよ」
「本当に、少女のようなファンレターで」
「そう?」
恥ずかそうに笑いながら、その時の感動を改めて熱く語っていたのである。
その後もトークが弾む中、内野が親交のある草笛光子と恋人繋ぎで手を握って寄り添っている写真が出ると、
「あら、いいじゃない」
そう口では言うものの、明らかに嫉妬している様子。
「ずいぶん仲良さそうじゃない」
「(徹子は)どうしてそんなにお元気なのか」
「草笛さんにお聞きになったら?」
「女は灰になるまで」と言うけれど、高齢でも健康で過ごすためには「あら、イイ男!」とときめく気持ちが残っていることこそ大事だということを、徹子がまざまざと見せつけてくれた。この健康が続くように、今後は面白みのない文化人やパッとしない芸人をゲストに呼ぶことはやめて、イケメンオンリーにするよう強く提案する。
(堀江南/テレビソムリエ)