テリー 少し前までは、昼からずっとグルメのロケでも、夜に締めでラーメンと、仕事と関係ない時でも食べちゃうと言っていたでしょう。
彦摩呂 今はラーメンの習慣が一切なくなりました。お酒を飲んでも、ラーメンを食べたいと考えなくなって。脳みそも変わったんだと思うんです。
テリー じゃあ、逆にふだんの食事がもっとおいしくなるんじゃないですか。
彦摩呂 そうなんです。仕事以外では糖質を控えてますから、スープやサラダにしてロケに行く。すると本番で食べた時のリアクションも違いますね。
テリー 表情とか。
彦摩呂 この間はとんかつでしたが、いつもは控えていますから、ものすごいええ顔で食べてたんですよ。自分で言うのも何ですけど。「ウワッ、これ何や、やる気満々の顔やないか!」と思って。
テリー 空腹は最高のグルメっていいますもんね。痩せていいこと尽くしだ。
彦摩呂 でも、みんな「彦摩呂が21キロ減!」と話題にしてくださいますけど、99キロでも、デブはデブです(笑)。だからあと10キロは痩せたい。
テリー 石ちゃん(石塚英彦)もそうだけど、「太ってるから愛らしい」っていう部分もあるじゃない。そのへんはどうなの。
彦摩呂 激痩せはしないでおこうと思うんですよ。僕は自分が太っていく姿を視聴者に見られながらやってきたじゃないですか。
テリー 彦摩呂さんは、アイドルもしてたしねぇ。
彦摩呂 内山君なんて、3歳からデブやったんですよ。体重3桁時代、膝が痛くて痛くて内山君に相談したら「兄やん、それは関節がデブ仕様じゃないねん。俺は3歳からデブやから、関節も骨も細胞もデブ仕様や」と(笑)。
テリー ああ、なるほど。
彦摩呂 デブ仲間はみんな「俺たちは天然だ」と言うんですよ。で、僕は「養殖」扱いなんです。
テリー アハハハ! そうか、もともとは細いはずなのに、あとから太っただけなんだと。うまいこと言うなぁ。
彦摩呂 だから他のデブタレントさんと違って、「昔は痩せてたのに」と視聴者の皆さんから非難されるんですね。そこが悩みです。ぽっちゃりキャラも残しつつ、90キロぐらいがいいのかなと思ってます。
テリー グルメリポーターのお仕事は、これからも本職にしていく?
彦摩呂 はい。毎回違う一皿があって、食材もどんどん進化してますし、地方に行くとその土地の郷土料理が今も残っています。「食というのは終わりがないんだ」というのを感じます。
テリー 最近、印象に残った食事はありましたか。
彦摩呂 若い料理人たちの感性が、B級グルメから高級なものまで、いろいろなところに表れていますね。
テリー 例えば、どんなものがありました?
彦摩呂 福岡のお店で、「タワー鍋」というのを見つけたんですよ。
テリー 東京タワーの「タワー」?
彦摩呂 そうです。下の土鍋に鶏肉のおだしが入っていて、具は鶏肉と豚肉。その上に大量のお野菜がのって、ちょっとしたグリーンみたいになってるんです。
テリー 芝生みたいに。
彦摩呂 はい。よう見たら石川遼君が立ってるかなぐらいの感じで。
テリー アハハハ。
彦摩呂 そこに、牛肉のリブステーキを7ミリくらいの厚さで輪切りにしたものを、かまくらを作るみたいに立体的な筒状にして盛るんですね。
テリー へぇ。
彦摩呂 まさに霜降り肉のタワーにするんです。下からの熱で全体が温まったところに、タワー肉の頂点から熱々のおだしをスーッとかける。そうするとサシの入ったお肉がとろけだして、ダイナマイトでビルを倒壊させるような感じになる。
テリー タワーが崩れていくんだ。
彦摩呂 真下にとろけるように落ちると、鶏、豚、牛のおいしさが一緒になって。もう「お鍋のブレーメンの音楽隊」!
テリー (拍手)
彦摩呂 こういう新しい料理は、若いシェフの発想なんです。衝撃的でした。ベースのだしが鳥と豚のうまみですから、完成度が高いスープなんですよ。そこに牛肉が口に入ってくる。もう「ストップ・ザ・温暖化!」て言いました。
テリー また名言が出ました(笑)!
彦摩呂 「ホッキョクグマがここに住めるか!」いうぐらいに、ダーッと溶けだすようなうまみなんです。自分の口の中で、甘みが広がっていくんですよ。