スポーツ

錦織圭「育ての親」が明かす「エア・ケイ」誕生秘話(2)ひ弱ですぐに発熱していた

 強力な肉体もさることながら、かねてより定評のあった技術力の向上も、今回の大躍進につながる大きな要因だと、米沢氏は主張する。
「以前と比べ、サーブ力が上がりました。もともと、サーブは出会った頃から苦手でした。あまりにもダメなので、毎日2時間かけてサーブ練習をしましたが、右ばかりやると首や肩を痛めるのが心配だったのと、全身のバランスを取るために左でも練習するようにしました。するとどんどん左がうまくなり、半年もするととんでもない高いレベルになった。吸収力はスポンジのようでした。
 実は当時の圭は、スマッシュが打てませんでした。高いボールが来ると、どうしてもスイングボレー(斜め打ち)してしまう。でも、その苦手なスマッシュも数カ月の練習で『こんなスマッシュが打てるのか』というレベルにまでなった。だから実際の使い方よりも、その学習能力の高さに『とんでもない才能だな』と思った覚えがあります。
 圭は勝利への執念と負けず嫌いの両方を持ち合わせています。粘ってくる相手にはエア・ケイでぶっ飛ばしてやろうと、手を抜かず思い切り牙を剥く。逆に今回の準々決勝でも見せたように、強者相手(世界4位のアンディ・マレー)でも絶対に試合を投げない。0─5で押されていても決してそのままアッサリとは負けず、何か一つでもやってやろうとします」
 まさに王者のメンタリティ。しかし、米沢氏が繰り返し言うように、錦織は小さい頃から決して完璧な選手ではなかった。米沢氏が指導者として、錦織が指定強化選手として、フロリダのアカデミーに参加していた頃を米沢氏は回想する。
「体が小さかったのもそうですが、圭は体力もなかったですね。長い練習を続けたり『頑張れよ!』と言うと、すぐに熱が出てしまっていた。ひ弱だったんです。そういう時は、お粥やラーメンやうどんを食べさせ、休み休みやらせていました。限られた時間であれもこれもとやっていたら、圭は伸びなかったと思います。当時は24時間の管理体制かつ、数年後を見越した長期計画で練習を積ませようというプログラムで日々を送っていました。だから1日を使ってのんびりとやれたのです。今思えば奇跡的な環境でしたね。

カテゴリー: スポーツ   タグ:   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    なぜここまで差がついた!? V6・井ノ原快彦がTOKIO・国分太一に下剋上!

    33788

    昨年末のスポーツニュース番組「すぽると!」(フジテレビ系)降板に続いて、朝の情報番組「いっぷく!」(TBS系)も打ち切り決定となったTOKIOの国分太一。今月30日からは同枠で「白熱ライブ ビビット」の総合司会を務めることになり、心機一転再…

    カテゴリー: 芸能|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<寒暖差アレルギー>花粉症との違いは?自律神経の乱れが原因

    332686

    風邪でもないのに、くしゃみ、鼻水が出る‥‥それは花粉症ではなく「寒暖差アレルギー」かもしれない。これは約7度以上の気温差が刺激となって引き起こされるアレルギー症状。「アレルギー」の名は付くが、花粉やハウスダスト、食品など特定のアレルゲンが引…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<花粉症>効果が出るのは1~2週間後 早めにステロイド点鼻薬を!

    332096

    花粉の季節が近づいてきた。今年のスギ・ヒノキ花粉の飛散量は全国的に要注意レベルとなることが予測されている。「花粉症」は、花粉の飛散が本格的に始まる前に対策を打ち、症状の緩和に努めることがポイントだ。というのも、薬の効果が出始めるまでには一定…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
上原浩治の言う通りだった!「佐々木朗希メジャーではダメ」な大荒れ投球と降板後の態度
2
フジテレビ第三者委員会の「ヒアリングを拒否」した「中居正広と懇意のタレントU氏」の素性
3
3連覇どころかまさかのJ2転落が!ヴィッセル神戸の「目玉補強失敗」悲しい舞台裏
4
巨人「甲斐拓也にあって大城卓三にないもの」高木豊がズバリ指摘した「投手へのリアクション」
5
ミャンマー震源から1000キロのバンコクで「高層ビル倒壊」どのタワマンが崩れるかは運次第という「長周期地震動」