現役メジャーリーガーとして今も活躍を続けるマエケンこと前田健太。彼の「落ちるチェンジアップ」は、MLB公式サイト内の特集〈2018年最も攻略しづらかった球〉で先発投手部門堂々1位に輝いている。
今や必殺の武器ともなっているチェンジアップ誕生の全貌について前田が語る番組があった。みずからのYouTubeチャンネル〈マエケン チャンネルKENTA MAEDA〉、6月4日に投稿された〈【1番打たれなかったチェンジアップ】投げ方全て教えます!!〉がそれだ。
「そのチェンジアップは2018年から新しく握りを変えたんです。それでその年一番打たれなかったチェンジアップになった」
と話す前田。なぜ握りを変えたのか。何でも、高校生の時はストレートとカーブだけだったそうだが、プロ2年目、当時の広島東洋カープのマーティ・ブラウン監督の指示でチェンジアップを覚えた。サークルチェンジアップが左バッターには有効で、2008年から17年まで投げていたと語る。しかし、メジャーに行ってから、「ストライクも入らなくなった」と、このチェンジアップがまったく使えなくなったと前田は振り返る。だからこそ思い切って握りを変えるチャンスだと開き直れたのだそうだ。
「フォークやスプリットといった落ちる球で三振を取る憧れがあるが、落ちる球に才能がない」
そう語りつつも、チェンジアップで代用できないかと悩んだ末、考案された現在の握りを披露。MLBで賞賛まで浴びるようになったチェンジアップが生まれたのだと明かした。また、前田は手が人よりも小さい事から、投球で構える際、グローブ内での握りもはたから見てバレないよう工夫を凝らしているという。
「キャンプから投げ始めて、そのシーズンに一気に良くなったので、これはみんなすぐに投げられると思うし、落ちるボールが苦手だったボクが投げられるようになったので、みんなにも試してほしい」
ピンチの後にチャンスありとはよく言ったもので、成功者は前田のように常にポジティブに物事を捉えていくもののようだ。
(ユーチューブライター・所ひで)