日韓以外の第三国に、両国間の歴史問題で自国に都合のいいことを言いふらす「告げ口外交」で知られる韓国の朴槿惠大統領(63)がまたやった。今回の「告げ口」は、事実か妄言か。
6月11日、米紙ワシントン・ポストのインタビューで、朴大統領が「慰安婦問題」を巡る日本側との協議についてこう述べた。
「相当な進展があり、現在、最終段階にある」
これまで朴大統領はこの問題を聞かれるたびに「日本の誠意ある措置」がないと不満を示してきた。それがここに来て、まるで日本が歩み寄ってきたかのような発言。これに困惑したのは外務省関係者だ。
「日韓両政府は外務省局長会議を昨年4月から今年6月11日まで8回行っていますが、進展したという話は聞いたことがありません」
具体的な交渉内容について朴大統領は「言及を控える」として明かさず、何をもって「進展」なのか真意は不明だ。国際政治学者の藤井厳喜氏が語る。
「慰安婦問題は1965年の日韓請求権協定で決着済み。発言の裏には日本側に譲歩を促す狙いがある。一方で、国会議員や外務省の中には日韓国交正常化から50年を迎えた節目に韓国と友好的な方向に舵を取りたい親韓派がいます。その勢力が『朴発言』を後押しして、日本政府に法的責任を認めさせる動きも見られるため、安倍総理には適切な判断が求められますね」
朴大統領の「告げ口」はこれだけではない。日本が世界文化遺産登録を目指す「明治日本の産業革命遺産」に関して、ユネスコのボコバ事務局長との会談で「日本が一部施設で非人道的な強制労働が行われた歴史に目を背け、世界遺産への登録を申請した」と猛批判。日本支持を表明していた投票国のセネガルに、首脳会談の場で反対するよう説得工作し、支持を撤回させた。藤井氏が憤る。
「94年に世界遺産となったドイツのフェルクリンゲン製鉄所は、第二次大戦中に約7万人も戦争捕虜や強制徴用された人が過酷な条件で働かされていた場所ですが、登録されています。そもそも日本が世界文化遺産に推薦する一つ『軍艦島』(長崎市)では朝鮮半島の人も働いていたが、彼らは当時は日本国民。『強制連行』での徴用でもなかった。朴大統領は政権延命のために言いがかりやウソをつき続けるしかないのです」
MERS問題で批判が高まる中、心のよりどころはますます「反日」のようだ。