共和党保守派の大物議員、ロイス氏の選挙地盤はグレンデール市に近いカリフォルニア州第39選挙区。主要都市のフラートンには韓国系住民が集まり、総人口の12%を占める。韓国出身者の多くは永住を前提に市民権を獲得し、アメリカの投票権を持っているため、無視できない存在になっているという。「票」につながらない在米邦人が受ける嫌がらせ被害には聞く耳を持つ必要すらないというわけだ。
今年1月末にグレンデール市の慰安婦像を訪れたロイス氏は像の前でひざまずいて線香を上げ、韓国系住民向けの「政治パフォーマンス」をやってみせた。日韓問題を取材するジャーナリストは言う。
「2月18日に訪韓したロイス氏は外相と会談し、『慰安婦問題に関し、日本の謝罪と政治指導者の努力が必要』と、日本批判のリップサービスを展開。朴槿惠〈パク・クネ〉大統領から『少女像(慰安婦像)を訪問され、国民は大きな感動を受けた』と謝意を述べられています」
米韓国家ぐるみの策略。ロイス氏の親韓行動に、松浦氏は苦言を呈する。
「米国に慰安婦像が設置されても、影響力のあるロイス氏の言動によって、米国市議は本心では疑問には思っても声を上げられない状況になっています。集票のために日本人が嫌がらせをされるのは納得がいきません。慰安婦像が設置されていない地域でも徐々に嫌がらせの輪は広がっており、サンフランシスコ在住の知り合いの子供は、韓国系住民から『日本人は魚臭い』とイジメられている。誰も何も発言しなければ、日本が慰安婦問題を『認めた』と解釈され、次世代に歪曲された歴史認識が残されてしまうのです」
韓国人による「反日嫌がらせ運動」は米国展開だけにとどまらない。バックパッカーでフリーライターの浜田健吾氏が、韓国旅行中の憤激モノの体験談を語ってくれた。
「一昨年8月、李明博〈イ・ミョンバク〉前大統領の竹島上陸後、韓国に行きました。ソウルで韓国人の友人と合流してタクシーに乗ると、運転手は私のほうを見て韓国語で何かつぶやきました。あとで友達に通訳してもらったら『独島は韓国領土だ。わかっているのか』と言っていたそうです」
口を開けば「独島」と、まるでそれを主張することがアイデンティティであるかのような偏執ぶりである。
「東大門市場の雑貨屋に行き、つたない韓国語で値下げ交渉をしたら、店員は笑顔のまま韓国語で何かしゃべっていました。韓国人の友人が遅れて店に来ると、その店員は私と彼が知り合いということに気づかず、友人に話しかけていました。『日本人が値下げ交渉してくるからさ、独島が韓国領土だと認めたら下げてやる、って言ってんだ』とバカにしていたのです」
2泊3日の旅行中、浜田氏はさまざまな場所で、領土問題を主張されたという。