ドラマ編
上野樹里→井上真央「花より男子」
「『TBS版のだめ』頓挫のとばっちりで・・・」
石原さとみ→綾瀬はるか「世界の中心で、愛さけぶ」
「頭剃るのが嫌」で別スケジュールを優先!?
生き馬の目を抜く芸能界で、その役、その座を得られるかどうかはまさに死活問題。誰かの「代役」が回ってくるという運命のいたずらは、千載一遇のチャンスなのか、はたまた挫折のワナなのか。意外や意外のピンチヒッターたちの「代役」を巡る数奇な人間模様をお届けしよう!
芸能界の力関係が配役に大きな影響を及ぼすドラマだが、意外にも代役が活躍するケースは多い。ピンチヒッターたちの中には千載一遇のチャンスをみごとにモノにし、大ブレイクを果たす者もいる。
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今や人気若手女優の一人となった綾瀬はるか(25)だが、デビュー当時は一介のグラビアアイドルにすぎなかった。そんな綾瀬が女優へとステップアップするキッカケとなったのが、04年にTBS系で放送された「世界の中心で、愛をさけぶ」だ。
ベストセラー小説を原作にした同ドラマは、放送開始2カ月前に映画版が公開され、ヒロインの廣瀬亜紀役を長澤まさみ(24)が演じて話題を集めていた。
当初、ドラマ版には石原さとみ(25)が出演する予定だったが、別のドラマのスケジュールのために断念。急きょ行われたオーディションで選ばれたのが、石原と同じホリプロ所属の綾瀬だった。とはいえ、当時の綾瀬は「僕の生きる道」などでドラマ出演こそしていたものの、女優としての実績はほとんどなく、ヒロイン役への抜擢には懐疑的な見方も多かった。
だが、綾瀬は髪を剃り、シーンによって体重を増減させるなど女優魂を見せつけて、白血病に冒されたヒロインを熱演。体操服姿での巨乳ぶりも話題となった。「石原は、当初から看板女優として期待されていただけに、降板の真相は“髪を剃るのが嫌だった”ためと取りざたされました。一方、綾瀬はグラビア要員の一人でしたからね。それがあの作品をキッカケに立場が逆転しました」(芸能評論家・三杉武氏)
同じく、急転直下の代役でブレイクを果たしたのが、昨年はNHK朝の連続テレビ小説「おひさま」の主演や紅白歌合戦の司会を務めるなど大活躍した井上真央(25)だ。
井上の出世作といえば、05年にTBS系で放送されたドラマ「花より男子」だろう。井上が演じた主人公・牧野つくし役は、上野樹里(25)が演じる予定だったのだ。
当時、TBSは上野を起用して人気漫画「のだめカンタービレ」のドラマ化を計画。ところが、主人公を“のだめ”ではなく、「V6」の岡田准一(31)演じる男性の千秋にしようとしたところ、原作者からのNGで頓挫した。
そこで代案としてドラマ化が浮上したのが、同じく人気漫画を原作にした「花より男子」。さすがに、上野をスライドさせるわけにもいかず、主演に抜擢されたのが、01年放送の同局の昼ドラ「キッズ・ウォー3~ざけんなよ~」に出演していた井上だった。
その井上は学業専念のために芸能活動を休止していて、復帰したばかり。突然のゴールデン主演には不安の声もあったが、結果は平均視聴率20%超えの大ヒット。同作は映画化もされ、井上自身ののちの活躍にもつながった。
代役をキッカケに主演も作品も“大化け”したのが、32年間にわたってシリーズが続いた国民的ドラマ「3年B組金八先生」。 当初、主役は「きみの朝」が大ヒットしていた歌手の岸田敏志(58)で放送されるはずだったが、多忙なコンサート活動がネックとなり、代役に名乗りを上げたのが、同じ芸能事務所に所属し、教員資格を持っていた武田鉄矢(62)だった。
放送開始当時、裏では人気番組の「太陽にほえろ!」や「ワールドプロレスリング」が放送されており、それほど期待はされていなかったが、武田演じる熱血教師と個性豊かな生徒たち、中学生の妊娠など衝撃的な題材が話題に。同局を代表するお化けドラマとなり、武田も俳優として確固たる地位を築くことになった。
他にも、名作と呼ばれるドラマでは代役が意外な(?)好演を見せているケースは多い。
織田裕二(44)が“トレンディドラマの金字塔”と言われるフジテレビ系「東京ラブストーリー」に出演したのは、永尾完治役に内定していた緒形直人(44)が、ヒロインの赤名リカを鈴木保奈美(45)が演じることに「格が違う」と難色を示したことがキッカケ。
また、「ドジでノロマな亀」のフレーズが流行した大映ドラマ「スチュワーデス物語」も、主演は小泉今日子(46)が演じる予定だったが、多忙を理由に断念。「同じ82年組の堀ちえみ(45)にお鉢が回って、奇想天外なストーリーと、堀の“ドジでノロマ”な役作りが絶妙にマッチし、ドラマ界に名を刻む作品となりました」(芸能記者)