大物になればなるほどその「取り扱い」が難しくなるのが、女優というプライドの高い人たちだ。鈴木京香(47)もその部類に入るようで、撮影現場では「女王様」ぶりを全開。驚きの言動を連発しているというのだが‥‥。
「来春、ちょうど番組改編期にオンエアする予定の2時間ドラマがあるんですが、その撮影現場が大変なことになったんです」
こう言って顔をしかめるのは、このドラマを放送する民放局の関係者である。作家・湊かなえ氏の小説をドラマ化したもので、3本のドラマをオムニバスで流すのだという。3作品ともに主演、監督が異なり、そのうちの1本の主演として鈴木が選ばれたのだった。
鈴木といえば、NHK大河ほか数々のドラマや映画に出演するなど、大女優の地位を築いたベテランである。だがこの関係者は、
「今回のドラマ撮影を担当することになった監督は『ババ』を引いてしまった。まったく、気の毒としか言いようがありません」
と嘆いて、その理由を次のように説明するのだ。
「共演者の1人が染谷将太(23)だったのですが、1人2役を演じるということで、監督はフケメイクを施すことにしました。ところが鈴木に『それはおかしい』とクレームをつけられたのです」
いったい何が気に入らなかったのかわからないが、大女優のクレームはさらに続き、それはキャスティングにも及んだという。尾美としのり(49)を出演させようとしたところ、なぜか「そんな人はダメ」と、鈴木からNGが出たのだ。ドラマ関係者が憤る。
「鈴木は台本を読んで、『この役は誰がやるんですか』と監督に聞き、それが尾美だと知ると、『それはおかしいじゃないですか』と言ったそうです。普通、いくら主演だといっても、一女優がキャスティングに口出しするなどということはありえない。監督なりプロデューサーなりキャスティングディレクターなりが決めるものでしょう。おかしいのは彼女のほうですよ。過去に尾美と何かあったのかどうかは知りませんが、年上の先輩俳優にダメ出しするとは。尾美は鈴木に拒否されたことは知らないと思いますが‥‥」
この撮影ではさまざまなことについて、鈴木にお伺いを立てないとコトが進まない状況だったようで、監督は「こんなことがあるなんて信じられない」と、驚きと怒りをあらわにしていたという。
鈴木のこうした「女王様」ぶりは、監督の間ではつとに知られた話のようで、さるベテラン監督も最近、鈴木を起用したドラマの撮影を行った際に、
「かねがねそういう噂は聞いていた。『女ヒトラー』だとね‥‥」
と苦笑したのだとか。とはいえ、
「俺の時は大丈夫だった」
と「女王様」炸裂の被害を受けることなく、胸をなで下ろしたものだった。
ドラマ業界関係者が言う。
「女王様だの女ヒトラーだの、そのような噂が立っているだけでも、女優としての活動の幅を狭めることにつながりますよね。いってみれば、この業界では、彼女は『踏み絵』みたいなもの。いかに鈴木の要求をさばき、突っぱねることができるか。彼女と組むことによって、映画監督たちが『修業』することになるわけですが‥‥」
先の2時間ドラマ監督も鈴木の越権暴走で「修業」を経験したわけだが、
「結局、いろいろな妥協案を出して、鈴木を納得させることに成功した」(前出・局関係者)
現場での評判はさんざんだが、女優としての鈴木の評価は高いようで、
「いっそのこと、高飛車な女王様役でも演じれば、実像そのものでハマるんじゃないですか。これまで脱ぐようで脱がなかったし、今後はその辺を全開にしてほしいですね」(映画関係者)
「素」の演技で新境地なるか──。