放送前の勢いはどこへ行ったのか。亀梨和也、広瀬すず、成宮寛貴と旬な若手名優を揃えたドラマ「怪盗 山猫」(日本テレビ系)が窮地に立たされている。
初回視聴率17.3%と民放の1月ドラマで第2位の高発進を遂げたにもかかわらず、第8話の視聴率は9.3%と土曜21時枠としては非常に寂しい数字だ。
「視聴者が次の展開を容易に読めてしまう単調な作りでは下がるしかないでしょう。第5話では視聴率が7.9%と、わずか5話で半分以上の視聴者に見切られてしまったのがその証拠です。第6話で『ヒガンバナ』主演の堀北真希を特別ゲストに呼んで数字を戻しましたが、その効果も長くは続きませんでした。もはや演者の固定ファンにこびるしかない状況です」(ドラマ評論家)
超豪華キャストや度重なる番宣と、制作側が力を入れていたのは一目瞭然。この惨状に頭を悩ませているのが日本テレビ関係者だ。
「亀梨君はすでに日テレの顔と言ってもよい存在。『野ブタ。をプロデュース』(05年)、『妖怪人間ベム』(11年)と多大な実績があるだけでなく、老若男女問わず好感を得られる人間。礼儀正しく、スタッフからも気に入られています。それが、今回のドラマで『亀梨=低視聴率男』という印象を抱かれてはたまったもんじゃない」
築き上げたイメージが崩壊しかねない状況に、亀梨本人もかなり焦っているようだ。
「拘束時間が早朝から深夜までと過酷で、リテイクを重ねるたびに疲労感と苛立ちをにじませています。普段の撮影ではムードメーカー的な存在ではあるのですが、そこまでの余裕がないのでしょう」(ドラマスタッフ)
だが、前出の日本テレビ関係者は「この責任は制作側にある!」と憤る。
「そもそも第1話の時点から脚本が遅れっぱなしなんです。土曜日の放送後、翌週分が完成していないこともありました。そのため役者陣にも過密スケジュールを強いることになってしまい、細部までこだわることができなかった部分もありました。しかも、遅れたわりにあのストーリー展開ですからね。今回の失敗を亀梨君に押し付ける気はありません。彼には汚名返上といくような次回作の主演を検討しています」
次回作では視聴者の心を華麗に盗んでほしいものである。