一方で、大成功を収めた「勝ち組」も存在する。「ダメよ~ダメダメ」で流行語大賞も獲得した日本エレキテル連合は、動画によって100万以上もの再生回数を誇る。また国名をダジャレにした地球儀ネタで人気のゴー☆ジャスは、みずからのチャンネルで「パズル&ドラゴンズ」や「モンスターストライク」といった人気ゲームの実況番組を持つ。毎日配信している動画の再生回数は、1本なんと数万~数十万! 主に10代のゲームユーザーを中心にアツい支持を得ている。ゴー☆ジャスが明かす。
「僕が動画を投稿しているわけではなくて、出演者として仕事を請けている形です。テレビと同じように番組制作費から出演料をいただいています。固定給だから再生回数をそこまでシビアには気にしてないですね。でも、ぶっちゃけ儲かってるんじゃないですかね? 収録は制作会社のスタジオでやってますが、こないだ新人が4人も増えてましたから」
まさに余裕のコメントだが、“負け組”との差は、ネットと相性のいいコンテンツを活用していることだけではないようだ。
「僕の“ゲーム実況”って、ゲームしながら『うわーっ』とか言ってるだけなんですけど、そういう単純さが中高生のユーザーにはわかりやすくていいんでしょうね」(前出・ゴー☆ジャス)
今や稼ぎはネットにとどまらず、好循環を生み出しているとニンマリ顔で続ける。
「若い人に観てもらえているからか、学園祭の営業にはかなりたくさん行かせてもらえるんです。おかげさまで僕の生活も助かっております!」(前出・ゴー☆ジャス)
一方「負け組」代表のねづっちにも、思わぬ恩恵がもたらされてはいるようだ。
「毎日謎かけを考えていると、ひと月たったら漫談1本分のネタになってるんです。僕は月1でライブをやってるんで、今の形はけっこう合理的。それに、“ユーチューバー芸人”ってこと自体、逆においしいんですよ。『再生回数50回』とか『1円も稼いでない』って、格好のネタですから(笑)。制作会社の人がやめるって言うまで、これからも続けていきますよ!」
今後もお笑い界から参入が予想される動画配信。「一発当てる」のは、謎かけよりも難問のようである。