いまや芸能人並みの知名度を誇る人気者も少なくないユーチューバー。年収1億円超えを果たす成功者も多く、若者にとっては“あこがれの職業”の一つとなっている。その成功にあやかりたいとYouTubeの公式チャンネルを開設する芸人も少なくないが、お笑いと動画では勝手が違うのか、成功しているケースはほとんどないというのが実情だ。
「ゴー☆ジャスのように登録動画が軒並み数万回の再生回数を集める例もありますが、これはむしろ例外的な存在。ほとんどの芸人ユーチューバーは、高校生の素人配信にも負ける始末です。たとえば日本エレキテル連合は平均2000回程度、山本圭壱やねづっちに至ってはほとんどの動画が1000回未満となっています。それでもネットニュースに取り上げられることで、いきなり数十万再生のスマッシュヒットになるケースもたまにありますけどね」(IT系ライター)
そんなラッキーを期待している芸人ユーチューバーにとって、夢を絶たれる規約改定が2月に行われるという。アメリカ本国では「YouTubeパートナープログラム」への参加条件として「過去12カ月の総再生時間が4000時間以上」といった高いハードルを課すというのである。そのアメリカではすでに昨年4月、総再生回数が1万回未満のチャンネルでは広告が表示されなくなっていたというのだ。
「これらの措置が日本にも導入されるという話は現時点ではありません。しかし動画広告が日本でもすさまじい伸びを見せていること、そしてユーチューバーの行状に注目が集まるようになったことから、日本でも同様の規約改定が導入される可能性は十分にあります。そうなると多くの芸人ユーチューバーが、動画では1円も稼げなくなる危機にさらされるわけです」(前出・IT系ライター)
山本圭壱はYouTubeチャンネル用にわざわざテーマソングまで作っていたが、そういった努力も無駄になるということか。ともあれ芸人の安易なユーチューバー転身に歯止めがかかる可能性は大きいようだ。
(金田麻有)