黒木華演じる女性漫画編集者が出版不況の中で奮闘する姿を描いたドラマ「重版出来!」(TBS系)が好評だ。視聴率は1ケタながら、ネット上では「面白い」という声がことのほか多い。ドラマ評論家が語る。
「録画や再放送で観たという人も多いようですし、ハッキリ言ってこの作品に関して、視聴率はあてにならないですね。ストーリーが面白いうえ、オダギリジョー、松重豊、安田顕、生瀬勝久といった豪華な俳優陣がそれぞれキャラクターを発揮しつつ、脇を固めています。その中で奮闘する黒木さんのハツラツとした演技は観ていて元気が出てきます」
黒木といえば、日本アカデミー賞の最優秀助演女優賞を2年連続で受賞した演技派女優。映画での主演は数えるほどで、ドラマの主演は今作が初めてとなる。テレビ関係者が言う。
「今まではキャスティングの段階で主演候補にすら入っていませんでした。今作のプロデューサーは『天皇の料理番』(TBS系)を観て、黒木さんから目が離せなかったそうです。それで『大人しい役が多かった彼女に、ドラマの中心で元気な演技をしてほしい』と、主役に抜擢したそうです。とはいえ、黒木さんは見た目が地味なため、当初は不安視する声もありました。ですが、始まると『タイプじゃなかったけど、可愛く見えてきた』『魅力的』という声が続出。彼女の活躍で、見た目重視ではなく実力のある人が主演をする時代になっていくでしょう。佐々木希さんや本田翼さんなど“大根女優”と言われる人は器用されにくくなるでしょうね」
読み方は「はる」だが、文字通り「華」のある事を証明した黒木華。業界人も視聴者も彼女の演技に目が離せなくなりそうだ。
(長谷部葵)