B 話はテレ朝に戻るけど、「ドクターX」の快進撃に水を差したのが、高樹沙耶の事件だ。高樹といえば、「相棒」のシーズン1から出演。平日の夕方に再放送されていたけど今回の逮捕を受けて、高樹が出ていた回が全てお蔵入りになるのは確実だ。
A 業界では「再放送の王様」と呼ばれる超優良コンテンツだった。高樹はシーズン1から出演し、過去に放送された約300話の「相棒」のうち、半分以上に出ていたというから頭が痛いだろうね。
B 上層部から「何とかならんか」と相談を受けた編成の担当者が、本気でモザイク入りの放送を検討したという話も、まんざら冗談ではないかもしれない。
C 不祥事といえば、8月に強姦致傷容疑で逮捕された俳優の高畑裕太。出演予定だったNHKの「真田丸」は、急きょ代役を立てて対応したけど、そのドタバタの影響でクランクアップしたのは10月の下旬。NHKの知人は「大河ドラマ史上でいちばん押した(撮影が伸びた)」とボヤいていたよ。尻拭いに奔走したドラマスタッフや共演者にしてみれば、二度と高畑の顔を拝みたくないだろう。
A 今年は日テレの「3年連続視聴率3冠」の阻止にかけていたテレ朝だけど、完全にツキに見放されたようだ。それを象徴するのがプロ野球の日本シリーズ中継。日テレが中継した唯一のゲームは、日ハムの優勝が決まった第6戦で25.1%(関東地区)を記録。もし6戦で広島が勝っていたら、7戦はテレ朝で中継する予定だっただけに、日テレ局内は「これでテレ朝に勝った」とお祭りムードだよ。
C 日テレは正社員に限らず、ヒット番組のスタッフには金一封を出すなど、現場のモチベーションを高めるのがうまい。実は朝の時間帯でも吉報があって、「スッキリ!!」がフジの「とくダネ!」を何年かぶりに月間平均視聴率で抜いたようだ。内々に局の編成担当から各スタッフに祝福メールが届いて、そこには「金一封」を予告するような内容が書かれていたらしい。
B 「スッキリ!!」といえば、スポンサーからの巨額融資を受けていた問題が影響して降板した上重(聡)アナ。局員に聞いた話では、局内でほとんど見かけないらしい。プロ野球のシーズン中は巨人戦の実況など“顔が見えない仕事”を地道にこなしていたけど、オフシーズンの今は何をやっているのかサッパリ。来年度には“スッキリ”とアナの肩書を失っているかもしれない。
A 「とくダネ!」は小倉智昭キャスターが、「週刊文春」に覚醒剤で逮捕された俳優の「資金源」と書かれてから、どうも主婦ウケが悪くなったようで、数字にもはっきり表れている。今すぐということはないけど、視聴者離れに歯止めがかからなければ、来年5月の70歳の誕生日か、再来年に迎える放送回数5000回を区切りに勇退ということも十分に考えられる。
C 話はだいぶそれたけど、日テレとテレ朝のトップ争いを尻目に、いちばん攻めていると言われているのがTBSだ。10月9日に放送された「オール芸人お笑い謝肉祭」がBPO(放送倫理・番組向上機構)の審議対象になったことがニュースになったけど‥‥。
B 今どき珍しく、「低俗」を絵に描いたような番組だったなぁ。特に問題視されたのは、ローションまみれの芸人が下半身をまる出しにするシーンだったそうだけど、1回きりの特番だったから冒険も許されたんだろうね。
C 現場の人間にとって、BPOはやっぱり怖い存在だよ。番組をどうこうする強制力はないけど、「放送倫理上問題あり」という「勧告」を受けると、まずスポンサーが離れていく。上層部も腰が引けてるから「じゃあ、打ち切りにするか」となる。現場にはテレビ番組ごとに契約しているフリーのスタッフが大勢いるわけで、レギュラーが打ち切りになると、それこそ多くのテレビマンが路頭に迷うわけだ。
A 打ち切りといえばSMAP解散とともに終了が決まった「スマスマ」(フジ系)。20年も続いた看板バラエティのラストが気になるところだけどね。
C 現場の人間は冷めたもので、打ち切りが決まると、あのキムタク口調で、「もうオール総集編でいいんじゃね?」と言う古参のスタッフもいて、つい先日、フジ局内の制作ルームに遊びに行ったら、バラエティフロアの奥に陣取っていたスマスマ班のデスクは閑散としていたよ。