アメリカで多くの人に見られているサイトに「TOP TEN OF CITY」というのがある。ここで「Top 10 Foods for Healthy Hairs」、つまり「髪にいい食べ物トップ10」が発表され、1位に選ばれたのがなんと卵だったという。
卵かけご飯や納豆というのは、日本人の朝食でごく一般的な風景。毎日卵かけご飯という人もいるだろう。ところがそう聞いて、「毎日、卵かけご飯を食べているのに、薄毛が解消されない」と怒る気持ちもわかる。確かに、卵を食べたからといって毛が増えたという実感はなさそうだが、フードコンサルタントで栄養士の中川貴子氏はこう言うのだ。
「卵には、髪が生成されるために必要となるほとんどの栄養素が含まれています。髪の材料となるタンパク質も豊富。また、黄身には『ビタミンH』と言われるビオチンも豊富に含まれている。ビオチンは髪の毛を作るアミノ酸の代謝を促進する働きがあり、育毛効果が高い成分で、卵は発毛・育毛効果の高い食べ物です。しかし、食べ方を間違えると発毛、育毛効果は得られません」
その間違った食べ方というのが「卵かけご飯」なのだという。
中川氏がさらに説明する。
「生卵の状態で食べること、白身と黄身をかき混ぜることがダメなのです。その理由は、白身にあります。白身にはアビシンというタンパク質が含まれており、これが黄身の中にあるビオチンと結合すると、ビオチンが体内に吸収されるのを妨げてしまう。ですから、卵をかき混ぜれば混ぜるほど、育毛効果はなくなってしまうのです」
それでは、このビオチンを効果的にとるためにはどうすればいいのか。
「ズバリ、ゆで卵です。『かき混ぜない状態で過熱している料理』が最適で、目玉焼きもいい」(前出・中川氏)
今や学会では、卵を多く取ってもコレステロール値が上がることはない、と断言している。ゆで卵と目玉焼きなら、これは手軽だ。
(谷川渓)