まさにこれこそ「オワコン」だろう。ここ数年、テレビやイベントなどで日本中をゆる~く盛り上げ大ブームにもなった全国の「ゆるキャラ」たち。その祭典でもある「ゆるキャラグランプリ」が東京五輪の年、2020年を最後に終了予定ということが明らかになった。今年のグランプリを獲得したのは、千葉県成田市の「うなりくん」。2位は愛知県知立市の「ちりゅっぴ」、3位には来たるラグビーW杯などの盛り上げにはひと役買っている、東大阪市役所の「トライくん」。とはいえ、残念ながらこの3キャラは全国的にはほとんど馴染みがない。こんな盛り上がりに欠ける状況が、イベント終了を決断させようとしている理由でもある。
「非公認とはいえ、年収7億円ともいわれた“ふなっしー”の凋落が象徴するように、ゆるキャラは完全に飽きられました。一時は地方自治体でも人気キャラクターを作ることが町おこしの一番の近道とも言われましたが、庶民をゆる~く楽しませるためのものが、いつの間にか職員の組織票やゴリ押しが取り沙汰されたり、さらに各業界でもキャラクターの乱立が起こり、世間が食傷気味になってしまったんですね。結局、ほとんどが淘汰され、国民も『ゆるキャラは“くまモン”だけでいいのでは?』という気持ちになったことは否めません」(エンタメ誌ライター)
第1回の2010年「ひこにゃん」、11年「くまモン」、12年「バリィさん」、13年「さのまる」、14年「ぐんまちゃん」、15年「出世大名家康くん」、16年「しんじょう君」…この受賞史を振り返るだけで、いまやオワコンと言われるのも確かにうなずける。「あからさまな組織票で決まるようになったら芸能人もゆるキャラも終わりだと思う」「ゆるキャラの役目は終わったよね。ご苦労さまでした」という、一般のヤフーコメントが世間の総意かもしれない。
(小机かをる)