2017年大みそかの「第68回 NHK紅白歌合戦」(NHK)は、午後9時から11時45分の第2部で平均視聴率が39.4%(関東地区)。2部制となった1989年以降で、ワースト3位の結果に終わった。しかし、今年9月で引退する安室奈美恵のラスト紅白ほか、注目ポイントは多かった。さらに、本番当日には、総合司会のウッチャンナンチャン・内村光良とコラボダンスを魅せた欅坂46のメンバー数名が倒れてしまうという、生放送ならではの突然の出来事も大きな話題となった。
「内村さんの場合は『一緒に踊りたい』という前フリがあって実現しましたが、芸人さんが我流で紅白に花を添えるのは、かねてからありました。その最たる例が、裏番組で民放トップを走る『笑ってはいけないシリーズ』(日本テレビ系)のダウンタウン・松本人志です。1995年に相方の浜田雅功が小室哲哉とのユニット『H Jungle with t』でリリースした『WOW WOW TONIGHT ~時には起こせよムーヴメント』が100万枚を超える大ヒットとなって、同年に初出場。曲のクライマックスに、白塗り芸者の格好をした松本がサプライズ登場しています。これは、坂本龍一プロデュースでデビューしたゲイシャガールズの格好ですが、浜田はマジで知らなかったとか」(テレビ誌ライター)
相方に内緒でステージに上がってしまったのは、ナインティナイン・岡村隆史も同じだ。
今年1月2日でラストとなった「めちゃ×2イケてるッ!」(フジテレビ系)の大好評シリーズの「日本1周の旅」。そこで20年にわたって共演し、親友とも言える中居正広が紅白司会を務めた2006年大みそかのこと。「みんなのうた」(NHK)の放送45年を記念した200名のキッズダンスパフォーマンスに、岡村が混ざっていたのだ。
「しかも、メイン歌唱者の北島三郎、氷川きよしをさしおいて、ラストはセンターでブレイクダンス。中居さんとの信頼関係があったからこそ、実現したものでした」(前出・テレビ誌ライター)
かつては、コント番組「LIFE!~人生に捧げるコント~」に出演中のドランクドラゴン・塚地武雅が、イカ大王のキャラで登場した。昨年の紅白では乃木坂46の“公認おにいちゃん”であるバナナマン・日村勇紀が観客席で完コピダンスを魅せて、ステージの巨大ビジョンに映しだされたこともある。
紅白×芸人のセッション。その歴史は、意外と長いのだ。
(北村ともこ)