外国人騎手の大物気取りは、短期免許で来日する騎手にも見受けられる。昨年の朝日杯FSの直前、V・シュミノー(24)は東の御大・藤沢和雄調教師(66)にかみついた。2つ目の新遺恨勃発である。専門紙トラックマンが振り返る。
「ノーザンファームの有力馬にたくさん乗っていたのでソコソコの成績は残しているものの、態度が悪く、スタッフの評判は最悪です。朝日杯FSは、身元引受人でもある藤沢先生の管理馬ファストアプローチに騎乗して6着でしたが、その調教中に事件が起きました」
シュミノーは水曜追いを2週続けて担当していたが、その後の追い切りで藤沢師からの指示を拒んだのだ。トラックマンが続ける。
「先生から『(調教を)見ておけ』と言われながら、『(調教に)乗るのは仕事だが、見るのは仕事じゃない。クレイジーだ。帰る』と言いだして、スタッフを困惑させた。先生としては、騎手が調教を見ることで馬の微妙な変化や感じるものがあればという思いで、レースを任せる騎手に指示しているんですが‥‥」
周囲のスタッフらが必死に説得し、
「シュミノーはしぶしぶ見ることになりましたが、『(同郷の先輩の)ルメールだってやっていることだよ』と諭しても、『彼はそのほうがいいよね。でも、自分は違う』と不満タラタラ。後日、見ないで帰る理由が『東京に行きたかったから』とわかると、話を伝え聞いた他の調教師たちから一斉に『ナメきってるな。もう乗せられない』と、評判がガタ落ちした」(美浦トレセン関係者)
短期来日する外国人騎手の評価は、西の栗東トレセン内でも急落している。
「昨年11月に来日したA・アッゼニ(26)なんて、短期免許期間中に突然帰国したからね。理由? 『本人の都合』というだけで正式な発表はないね。来日早々、重賞を勝ったけど、そのあとに落馬して『オレが乗るような馬が集まっていない』と周囲に不満をブチまけてトラブッたという話が流れたね」(厩舎関係者)
身元引受人の中内田充正調教師(38)は、昨年、最優秀2歳牡馬に輝いたダノンプレミアムをはじめ、フロンティア、ベルーガの重賞馬を抱える新進気鋭のトレーナーだ。栗東トレセン関係者によれば、
「オックスフォード大学を卒業してアラブの王族とも交流があり、通算100勝を最短で達成した有望調教師をソデにするなんて、何を考えているのか。16年の英国リーディング3位とのフレコミだったけど、急に帰国するなんてひどいもんだな」
腕のよさと人間性は反比例するようである。