人気作家・夢枕獏氏の原作「沙門空海 唐の国にて鬼と宴す」(徳間文庫・角川文庫)が、日中合作の超大作映画「空海-KU-KAI-美しき王妃の謎」として完成。2月24日から公開される。公開を記念して“歴ドル”の美甘子と、アサヒ芸能「真説!日本史傑物伝」連載でもお馴染みの歴史研究家・河合敦氏が “リアル空海”を語り尽くす対談が、2月20日発売の同誌3月1日号で実現した。
2人の話によれば、とにかく空海の伝説たるや、ものすごい!の一言。〈仏の道で生きることができるなら救ってくださいと、山で身を投げたら天女が現れて空海の身を受け止めた〉〈高知県室戸岬の洞窟で修行していたら、明けの明星=金星が口の中に飛び込んできた〉〈そもそも、空海が生まれる時にはインドの聖人が飛んできて、体の中に入った夢をお母さんが見たり〉…などなど、“とんでもエピソード”のオンパレード。31歳で遣唐使として唐に渡る空海は、わずか3カ月で密教に必須のサンスクリット語をマスター! 密教の高僧・恵果から奥義を伝授され、またも、3カ月の短期間で、第8代の密教の祖師に成り上がる破天荒な出世ぶり。唐から密教の経典、書籍、仏像、仏具、曼荼羅などなど、膨大な品々を持ち帰った空海は、スーパースターへの階段を昇り始めるのだ。
映画「空海-KU-KAI-」に話を戻せば、監督は、中国の巨匠チェン・カイコー。主役の空海を演じるのは、染谷将太、ほかに、阿部寛、松坂慶子、火野正平が出演し、中国側キャストの吹き替えとして高橋一生、吉田羊、東出昌大が起用されていることも話題を呼んでいる。主題歌は、RADWIMPS「Mountain Top」。今も人々の心の中に空海が生きていることを感じるべく、高野山に足を運んだり、四国八十八ヶ所を巡って、“お大師さん”と同行しているような気持ちになってみたいものだ。