「今まで一貫して無実を主張してきましたのですが、どのメディアも取り上げてくれませんでした」
本サイトの独占取材に応じ、法律違反の薬物を使用したこともなければ購入したこともないと強い口調で語るのは、2016年8月25日に法律違反の薬物の所持・使用容疑で逮捕され、翌年3月に執行猶予つき有罪判決を受けた庄司哲郎氏(51)。逮捕前は俳優として数々の映画、ドラマに出演してきた庄司氏だが、逮捕された直後に、『「とくダネ!」大激震』と煽りつつ、法律違反の薬物を巡っての『逮捕俳優は小倉智昭が「資金源」だった』と、「週刊文春」(16年9月1日発売号)が、報じたことで、世間は大騒ぎとなった。
「小倉さんから金銭的な援助を受けていたのは事実ですが、法律違反の薬物の“資金源”なんてトンでもない。最初から小倉さんを叩くために捏造したとしか思えません。お台場で小倉さんと会った当日に逮捕ですからね。夕方に東京町田市にある自宅に戻ったら、家の前に礼状を持った麻薬取締官が待ち構えていて、いきなり家宅捜索が始まったんです」
法律違反の薬物などにはまったく身に覚えはなかったが、捜査に協力し、ことの成り行きを見守っていた庄司氏。すると、すぐに捜査員が薬物を入れるために用いるとされるパケ(ビニール袋)らしき物を見つけ出したという。
「どこから出てきたと思いますか? ヌンチャクの筒の中の空洞ですよ。まるで最初からそこにあるのがわかっていたかのようでした。しかも中に入っていた薬物も0.01グラム以下というごくわずかな量だったんです。麻取の人間と結託した誰かが仕込んだとしか思えません。『こんなの捏造だろ』と訴えても聞き入れてもらえませんでした。その後の尿検査でも、その場で検査せず、また採取した尿に封をすることなく、どこかに持って行って『陽性反応が出たぞ』ですからね。どこかで“混入”されてもわかりませんよ。また、取調べでは芸能の仕事についてはいっさい黙秘していたのに、逮捕から1週間足らずで『週刊文春』に記事が出たのはおかしい。捜査当局のリークとしか思えません」
逮捕後は警察署の留置所に勾留され、連日取調べを受けた。
「土日など関係なく、それこそ朝の9時から夕方の6時まで、30分の昼食時間を除いて、みっちり取り調べを受けました。その間、弁護士を通じてしか外部と連絡が取れず、また、家で飼育していた猫たちがどうなったかも気がかりで…。また、勾留期間が23日を過ぎようとした頃に、実際はあり得ない『勾留の再延長』を脅しの材料に使ってきたこともあって、結局、麻取が作りあげたデッチ上げの供述調書にサインしてしまったのです」
この事件によって、約7カ月の間、身柄を不当に拘束されたと訴える庄司氏。彼を「クスリ犯罪者」に仕立て上げた黒幕とは──。庄司氏によれば、住んでいたアパートの隣の骨董店に出入りしていた男性向けの夜のサービス業に従事する女性の策略だったと考えると「すべて説明がつく」という。彼女はクスリの常習者だと断言する庄司氏が続ける。
「私にも(薬物を)しきりにすすめてきたんです。もちろん、私はずっと拒絶し続けていました。そのことで逆恨みして、点数稼ぎに走る麻取と結託して私を犯罪者に仕立て上げたとしか考えられません」
ちなみに、〈庄司氏には不貞相手が5人おり、クスリを使って男女の行為をしていた〉と報じられたことについても「ガセネタをマスコミに流したのも彼女だと思っています」(庄司氏)
16年10月28日に迎えた初公判で、庄司氏は供述を覆して無罪を主張。その後の5回にわたる公判では、捜査に当たった取締官も証人台に立ったが、庄司氏の無罪を立証する「真相」は明かされず、昨年3月24日に有罪判決が下された。
「結果は残念でしたが、幼稚園の頃からの幼な馴染みで、婚約者でもあるパートナーをはじめ、多くの俳優仲間たちに支えてもらいました。小倉(智昭)さんからも『私は庄司を信じている』とメールをいただいたのも、大きな励みになりました」(庄司氏)
釈放直後には、それまで住んでいたアパートを追い出され、さらに貯金もなくなり始めていた。一時は警備のアルバイトで食いつなぐこともあったという。現在、そんな彼のもとに舞い込むのが、胴体を一筆で描く「龍神様」の執筆依頼だ。
「最近になってようやく以前と変わらないくらい絵の注文をいただけるようになりました。デタラメな捜査で多くの時間と信用を失ってしまいましたが、今後も冤罪を主張していきたいと思っています」(庄司氏)
インタビュー中、庄司氏に寄り添う愛猫たちと、じっと見守る婚約者女性の姿が印象的だった。