政界関係者が重い口を開く。
「実は永田町で、石原の政界転身が話題になっているんです。彼女は実際に与党関係者と繰り返し接触していて、出馬に向けたすり合わせを行っているといいます。順調にまとまれば、来年7月に予定されている参院選に出馬する方向で話は進んでいる」
石原といえば、以前から創価学会の熱心な信者であることで知られる。電撃婚に関しても、所属事務所ではなく学会に相談してきたというほどである。仮に出馬というのであれば、創価学会が支持母体である公明党からというのが自然であろう。ところが、そうではないというのだ。
「いや、自民党からですね。すでに自民党内では、石原の出馬説が駆け巡っていて『比例代表の顔になる逸材』として大歓迎ムードになっています。二階俊博幹事長(82)も彼女のファンとのことで、バックアップ体制は整い、期待感が高まるばかりです」(政界関係者)
同じ政権与党とはいえ、公明党ではなく自民党を選ぶとは──。その背景にどんな動きがあったのか。所属事務所関係者によれば、
「ひとつには彼女の夫の同級生に自民党本部の関係者がいて、そのルートから熱烈なオファーがあったというのです。とはいえ、人生の岐路で自分の意見をきっちり通してきた石原が、単純に目の前に提示されたものに飛びつくような打算的行動はしませんよ」
全てを計算しての選択。石原が自民党から出馬した場合、連立を組む公明党にとっても多大なメリットが想定できるというのだ。
「昨今の自民党の改憲方針やコロナ対応についての反発から、学会員の間で『アンチ自民』が増えつつあります。その流れに釘を刺し、選挙に対する一体感を生み出すためにも、公明党サイドからは渡りに船なんです。自民党に“貸し”を作ることにもなり、公明党としては現在よりも強い姿勢で政策決定に臨むことができる。自民からの『公明外し』の声を確実に減らすことにもつながります。石原の自民党入りが、自公の強固な結束のシンボルとなるでしょう」(政界関係者)
そうした構図を把握した上で、石原は政界入りを目指すというのだから、その大胆さには恐れ入る。
一方で素朴な疑問として、自民党からの出馬となれば、学会員からの反発はないのだろうか。学会内部の事情に精通した現役の学会員が言う。
「公明党の議員にも非学会員がいるぐらいですから、まったく違和感はありません。政治と信仰を分けて考えるのは当然のことではないでしょうか」