すでに石原には、表立って政界転身を想起させる振る舞いもあった。
5月7日に東京五輪の聖火ランナーを長崎県で務めた際に発表したコメントが、一女優とは思えない内容だったのだ。
「核廃絶・反戦を願う多くの思いを胸に走らせていただきたい」
「被爆の記憶を残す長崎での聖火リレーは、心から平和を願う世界の人をつなげられる」
確かに政治家さながらの弁ではある。
「彼女が居住する東京で緊急事態宣言が発出されていたこともあって、世間からは『聖火ランナーを辞退しないのか』との強烈なプレッシャーを受けていた。ところが、彼女はかたくなに辞退しませんでした。聖火アンバサダーという立場として、真摯に取り組んでいるのはもちろんですが、『出馬を意識していたのだろう』と見る向きもありました」(政界関係者)
いずれにせよ、女優引退から政界転身という流れを聞くにつけ、石原の本気度が伝わってくる。そうした志は一朝一夕で芽生えたわけではなかった。
現役学会員が「熟慮を重ねた帰結」とこう続ける。
「彼女が将来的に政界で活躍するということは、長年にわたって創価学会の重鎮が抱いてきた願いなんです。このことは学会の内部でも広がっていて、学会員同士が集って題目を唱える各地域の勤行の場でも話題になってきました。私自身もいつ実現するのかと気にしていた案件です。彼女は幼少期から重鎮の方にかわいがられてきました。過去、現在、未来と継続して熱心に信仰していく石原さんは、常に政界転身を意識していたはずです。芸能界で大活躍する中、適切なタイミングを見計らっていたというのが本音だと思います」
政界進出説の信憑性を高めた、先の聖火リレーに関しても、創価学会の意向が反映されていたようで、
「もともと長崎とはさほどの縁はありません。それでも、同県でのランナーに起用されたのは、学会は『被爆体験の語り継ぎ』に力を入れており、石原さんを猛プッシュする動きがあった結果です。聖火リレー後のコメントは、学会員として100点満点のコメントでした」(現役学会員)
どんどん外堀は埋められ、本人も「政治家としての資質」を高めていくばかり。政治家に転身する際は、芸名の「石原さとみ」ではなく本名で出馬することも想定されている段階だという。