スポーツ

山口健治の“江戸”鷹の目診断「青森記念」

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◎武田=○新田 金子の軽視禁物

 時間をかけてじっくり力をつけてきた選手は、簡単には崩れない。

「青森記念」(9月27日【土】~30日【火】)に出走予定のS級S班は、後閑信一成田和也に、前走・前橋AS決勝戦の4着新田祐大、7着金子貴志を加えた4人。S1からは決勝戦でワンツーフィニッシュした武田豊樹神山雄一郎と、乗れている大塚健一郎藤木裕らも参戦する豪華メンバー。熱戦が相次ぐ、みちのくバンクの4日間になりそうだ。

 地元代表は、高橋陽介。前橋ASは【5】【1】【3】【8】。1次予選で敗退も、2走目には逃げ切り勝ち。持ち味の機動力が大舞台でも通用することを証明した。高橋がGIの常連になったのは、今年3月の名古屋ダービーから。それ以降4戦全て出走し、7月弥彦寛仁親王牌では準決勝進出と健闘している。昨年のここはS1選手として初参加でファイナリスト入り。6着ではあったが、確かな手応えをつかんだ。脚力、気合いともに充実している今なら、トップクラスに気後れはない。

 39歳になるが、衰えを感じさせない金子を支えているのが豊富な練習量。前橋ASの前には、高地トレーニングで体をいじめ抜いた。人柄はインタビューの受け答えからうかがえるように、謙虚そのもの。遠征とは思えないファンの応援が、ゴール前のひと伸びを後押しする。

 さて、並びと展開。北日本は地元の高橋─佐藤友和内藤宣彦と新田─成田の福島両者で別線濃厚だが、勝ち上がりしだいではドッキングもある。関東の武田─神山、南関の郡司浩平加藤圭一が東日本の圏内。

 西日本は、中部の金子─山内卓也、京都の藤木─伊藤保文、そして九州は吉本卓仁─大塚で結束する。他では、単騎の野田源一黒田淳か。

 先行しそうなのは高橋だけで、マイペースも十分ある。まくり勢は好位の取り合いになりそうだ。

 ◎武田=○新田。ダッシュ力では新田が上も、レースがうまい武田が神山のガードで抜け出す。地元のアドバンテージがある高橋、目標不在も好機に仕掛ければ金子も軽視できない。

 伏兵は、城幸弘(山梨・96期)、箱田優輝(青森・98期)、櫻井正孝(宮城・100期)の機動型3選手。FIとはいえ、3場所連続決勝戦に進出中の城が金星取りの一番手。ホームバンクの箱田、今期が初のS級の櫻井は果敢に攻めれば、結果はついてくる。

◆プロフィール 山口健治(やまぐち・けんじ) 1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。

◆アサヒ芸能9/22発売(10/2号)より

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