指揮官の期待に応えようとする気持ちが、逆にプレッシャーになっているのかもしれない。高卒5年目の巨人・秋広優人の調子が、まるで上向かないのだ。
振り返れば3月9日の阪神とのオープン戦では、2打数無安打1四球1三振と精彩を欠き、阿部慎之助監督から「芯に当たらなくなってきているから、潮時かな」と事実上の「戦力外宣告」を受けた。11日のソフトバンク戦では途中出場ながらも2安打を放って猛アピールしたが、阿部監督が期待する本塁打はいまだ見られず、このままでは昨季同様、2軍スタートが濃厚だ。
野球解説者の高木豊氏は秋広の打撃について、
「フリーバッティングをやれば松井秀喜レベル。そのくらいの飛距離はあるし、迫力もある。ただ、再現性がない。忘れっぽいというのかな。そこらへんが評価として推しづらい。意識が低い」
YouTube動画でそう厳しく解説したのである。とはいえ、期待感はあるようで、こんなアドバイスを。
「『縦振り』をした方がいい」
縦振りは「バーティカルスイング」と呼ばれ、両肩を結ぶラインとバットが平行になるようにスイングすること。バットの芯を上向きにし、打球をより遠くに飛ばすことができる打法だ。日本では3Aオワタや独立リーグで活躍した根鈴雄次氏が第一人者。高木氏はキッパリと言う。
「秋広は根鈴のところにいけばいい」
秋広は忘れっぽい性格で、アドバイスを受けても翌日にはすっかり元に戻ってしまい、そのたびにコーチを呆れさせているという。阿部監督が「潮時」というのも、いよいよ我慢の限界に達したということだろう。
「2割5分、20本塁打を目指すなら、秋広は縦振りと心中するしかない」
そう言い切った高木氏。手遅れになる前に、一刻も早く「縦振り」に着手すべし!
(ケン高田)