政治

石破茂の「10万円商品券」議員だけじゃない…怪しいカネにまみれる「慶応大学総合政策学部卒」の面々

 昨年10月の衆院選で初当選した自民党の大空幸星(こうき)衆院議員の公式Xが大炎上しているのは、大問題になっている「10万円商品券」の影響だ。

 3月3日に首相公邸で開かれた石破茂首相と衆院1期生15人との会食時に、石破首相が1人10万円の商品券を配っていたことが発覚。大空氏は石破首相が深夜の釈明会見を開いたことを受けて、商品券を受け取った経緯を説明した。

〈地元を含め、日頃応援していただいている方から多数のお問い合わせを賜りましたので、事実関係をご説明させていただきました〉

〈私は懇親会の翌朝に中身を確認し、直ちに石破事務所に伺い、お返しいたしました〉

 そう釈明したのだが、異例の深夜会見が行われるまで、「疑惑のカネ」を受け取っていたことを公表していなかった。これに批判が集中したのだ。

 同じ1期生で、一度は10万円商品券を受け取った慶應大学法学部卒の向山じゅん議員のXも同様に炎上中だが、大空氏は第二次安倍晋三内閣で国家戦略特区諮問会議の民間議員だった竹中平蔵氏が教授を務めた(現在は名誉教授)、慶応大学総合政策学部の卒業生。実はこの半年、同学部卒業生の「助成金」と「カネ」をめぐるスキャンダルが相次いでいるのだ。

 兵庫県知事選で再選した斎藤元彦知事について、PR会社「meruch」(兵庫県西宮市)の折田楓社長が県知事選直後の昨年11月、同社が斎藤知事陣営のSNS戦略を担当したと、SNSに投稿。対価として斎藤氏側から同社に71万5000円が支払われたことが、公職選挙法違反(買収、被買収)に該当するとして、刑事告発された。神戸地検と兵庫県警は今年2月、折田社長の関係先への強制捜査に踏み切っている。

 この折田社長も大空議員と同じ総合政策学部卒。同社は兵庫県だけでなく、他の自治体からもSNS等活用をめぐる公共事業を請負い、数千万円の利益を得ていた。

 さらに年金改革で炎上した、厚労省年金部会メンバーのたかまつなな氏も同学部卒だ。運営する「株式会社 笑下村塾」は、宝くじの助成金を使った教育イベントを展開。年金部会委員でありながら、同社スタッフとは委託契約を交わし、従業員の厚生年金と社会保険を負担していない「ブラック経営者」であることが発覚している。

 さらに言えば、くだんの大空議員は2020年に孤独対策、自殺対策を目的としたNPO法人「あなたのいばしょ」を設立。ところが2021年、このNPO法人に国庫補助金から1億5000万円もの予算をつけられた一方、長年にわたり自殺予防の相談窓口を請け負ってきた「いのちの電話」への予算配分、人員配置が滞る偏りを、他のNPO団体から指摘されている。

「あなたのいばしょ」が設立された2020年以降、未成年者の自殺数は減少するどころか増加の一途をたどり、昨年に自殺した小学生、中学生、高校生の数は、統計をとり始めた1980年以降で最多となった。

 専門知識のないNPOに無駄な予算を割き、必要なところに予算と人員がいきわたらなかった結果、子供の自殺が増えた、とも解釈できるのだ。

 なぜ竹中氏が教鞭を執った慶応大学総合政策学部の卒業生に、これほど不自然な「助成金」や「カネ」が集まるのか。単なる偶然なのか。本人の口から説明を聞きたい。

(那須優子)

カテゴリー: 政治   タグ: , , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<マイクロスリ―プ>意識はあっても脳は強制終了の状態!?

    338173

    昼間に居眠りをしてしまう─。もしかしたら「マイクロスリープ」かもしれない。これは日中、覚醒している時に数秒間眠ってしまう現象だ。瞬間的な睡眠のため、自身に眠ったという感覚はないが、その瞬間の脳波は覚醒時とは異なり、睡眠に入っている状態である…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<紫外線対策>目の角膜にダメージ 白内障の危険も!?

    337752

    日差しにも初夏の気配を感じるこれからの季節は「紫外線」に注意が必要だ。紫外線は4月から強まり、7月にピークを迎える。野外イベントなど外出する機会も増える時期でもあるので、万全の対策を心がけたい。中年以上の男性は「日焼けした肌こそ男らしさの象…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<四十肩・五十肩>吊り革をつかむ時に肩が上がらない‥‥

    337241

    最近、肩が上がらない─。もしかしたら「四十肩・五十肩」かもしれない。これは肩の関節痛である肩関節周囲炎で、肩を高く上げたり水平に保つことが困難になる。40代で発症すれば「四十肩」、50代で発症すれば「五十肩」と年齢によって呼び名が変わるだけ…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
ロッテ戦で…大量ロジン「粉舞い投球」に日本ハム・新庄剛志監督が「イヤなんですよ」嫌悪爆発
2
【戦慄秘話】「山一抗争」をめぐる記事で梅宮辰夫が激怒説教「こんなの、殺されちゃうよ!」
3
前田日明「しくじり先生」で語らなかった「最大のしくじり」南アフリカ先住民事件
4
前世の記憶を持つ少年「僕は神風特攻隊員だった」検証番組に抱いた違和感
5
米ツアー初Vがメジャー制覇!西郷真央を押し上げた「師匠・ジャンボ尾崎の指導に反論」ポリシー