プロ野球選手のオンラインカジノ問題が世間を騒がせたように、現代の野球界では、選手に対して厳しい倫理観が求められている。もちろんルールを破れば、それ相応の処罰が下されるのは当然だ。
プロ7年目の西武・佐藤龍世が、寝坊による遅刻で3軍に降格させられた。エスコンフィールドで行われた日本ハムとのオープン戦を終え、北海道から静岡に移動したのだが、佐藤は飛行機に乗れなかった。西口文也監督はこう言っている。
「寝坊したから3軍に落とした。それだけです。2週間は3軍にいるんじゃないですか。危機感がないというか、現状で自分がどういう立ち位置にいるのか、考えてほしい」
佐藤は2018年のドラフトで西武から7位指名されて入団。2021年に公文克彦と平沼翔太との2対2のトレードで、木村文紀とともに日本ハムへ移籍したが、2022年に山田遥楓とのトレードで西武に復帰した。
昨季は一時、4番に座るなど主力の座に近づきつつあったが、今季は西口監督の方針で、外崎修汰が二塁から三塁へコンバート。主に三塁を守っていた佐藤は「外崎さんとは絶対に争いたくない。それならばライトに行く」と明言し、期待していたファンを呆れさせている。
そもそも今回の遅刻が明るみに出て思ったのは「またか」。過去に自身を律することができない「事件」を起こしているからだ。
佐藤は新型コロナウイルス拡大防止の自粛期間中の2020年4月、千葉県内のゴルフ場へ、チームメイトの相内誠と外出。その際、首都高の中央環状線山手トンネル内を89キロオーバーの149キロで走行し、懲役3カ月、執行猶予2年の判決を受けている。
佐藤は公判で「同乗していた先輩の相内さんの指示に従った」と語ったというが、その翌日、相内がインスタグラムで「あきれる。」とつぶやいたことで「罪の押し付け合いか」という声が上がることに。
佐藤は日本ハム時代にも、フライを打った後にバットを持ってすぐにベンチへ戻り、「ああいうことをしていたら一生、1軍には上がれない」と新庄剛志監督を激怒させている。
佐藤の遅刻はなにも、今回が初めてではないという。いつになってもレギュラーになれないのはもはや実力云々ではなく、素行や人間性の問題なのかもしれない。
(ケン高田)