4月9日にスタートした月9ドラマ「コンフィデンスマンJP」(フジテレビ系)に詰め込まれた数々のオマージュネタに、中高年の視聴者が拍手喝采を送っているという。
まず「ゴッドファーザー編」というサブタイトルが付いた第1話では、江口洋介が演じる大立者の赤星によりフィリピンの留置場から詐欺師の東出昌大が救い出されるシーンにて、東出は「ドン赤星~!」と号泣しながら江口の手にキス。これはマフィアの世界を描いた映画「ゴッドファーザー」そのもので、BGMにも同映画のサントラが使われているのである。その他のオマージュシーンについて映画ライターが解説する。
「序盤の闇カジノでは、主演の長澤まさみが『夜桜の麗』を名乗って賭場の壺振りを担当し、着物の片肌を脱いで肩の桜模様を披露。このシーンはおそらく藤純子が映画『緋牡丹博徒』で演じた“緋牡丹のお竜”のオマージュですね。そしてニセの警察官に撃たれた長澤がのたうち回り、小日向文世から『川谷拓三じゃねえんだからさあ』と言われるシーンは、72年の映画『殺しの盃』にて殺され役の川谷が撃たれても刺されてもなかなか死ななかった伝説のシーンを再現しているのでしょう。そんなシーンのオンパレードに中高年視聴者が引き寄せられており、まさに『おっさんホイホイ』状態です」
このへんはさすがに元ネタが古すぎるためか、若い視聴者では気づく人が少なかった模様だ。その一方で、もう少し若い視聴者でも思わず吹き出すシーンもちゃんと用意されていたという。
「長澤が江口から脱税した金を押収しようと一芝居打つシーンでは『国税局査察部!』と滑舌悪く連呼していますが、これは87年の大ヒット映画『マルサの女』で主演の宮本信子が演じた査察官の物真似。BGMには5拍子のメロディが特徴的な『The Woman From Marusa』を流すという念の入りようです。本作の脚本を手掛ける古沢良太氏はドラマ『リーガル・ハイ』(フジテレビ系)でも同映画のパロディを取り入れており、かなりお気に入りの作品と思われます」(前出・映画ライター)
なお本作では信用詐欺(コンゲーム)を題材としており、公式サイトにも代表的なコンゲーム映画として『スティング』(73年)が挙げられている。その『スティング』は大金をちり紙にすり替えるシーンで始まるが、それと同様のトリックが今回の第1話でも使われているのである。
そして公式サイトではほかに『ミッション:インポッシブル』シリーズや『オーシャンズ11』も代表的なコンゲーム映画として紹介。どうやら第2話以降のネタバレを先に知りたい人は、これらの映画を今のうちからチェックしておくとよさそうだ。
(金田麻有)